「実はベストテン入りナシ」も、『木蘭の涙』など“愛され曲”多数…《スターダスト☆レビュー》が全世代から支持されている理由

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しかし、ライブ中心、そして観客を巻き込むスタイルの彼らだからこそ、コロナ禍ではまともにあおりを受けた。しかも、40周年のアニバーサリーにぶつかってしまったのである。

1回目の緊急事態宣言が2020年4月7日に発出され、解除と再宣言を繰り返し、それが2021年9月30日まで続いた。

彼らは2020年10月から40周年ツアー「年中模索」が始まるはずだったが、この緊急事態宣言と丸かぶりになり、2度も延期を余儀なくされている。

スタレビだけでなく、多くのアーティストにとって、コロナ禍のライブ開催は模索状態。ガイドラインに基づいて、感染防止対策や制限をしっかり守っても、コンサートをするだけで批判されるムードもあり、当日キャンセルも相次いだ。

観に行く側も、感染しない、させない“準備と責任”が必要だった。新型コロナウイルス接触確認アプリを入れ、行く前にはPCR検査キットで陰性を確認する。会場ではマスクは必須、歓声は禁止。横の人とは距離を取る――。

スタレビ
コロナ禍に40周年に突入したスタレビ(写真:三浦麻旅子)

感謝の思いが、新たな歌を生んでいる

そういった背景から、急速に普及したのがオンラインライブなどの「配信」スタイルだ。家にいながら誰もがのんびりと観ることができ、画期的だったといえる。しかし同時に、対面にはあった「何か」が失われた。

スターダスト☆レビューもライブ配信を行ったが、あまりの充実感のなさに戸惑ったという。根本要は当時取材でこう語っていた。

「お客さんの拍手がないって、こんなにやり甲斐がないのかと。いつもは拍手をもらって、句読点がつくんだよね。それがない不思議。押し返してくれる力がないの。疑似拍手を入れればいいかといえば、そんなもんじゃない。拍手は、その人たちのエネルギーが出てくるから尊いんだよ」

今年2月26日にリリースされたアルバム『星屑冒険王』は、この、2020年から2022年のコロナ禍で作られたシングル『はっきりしようぜ』『やっぱり会いたいよ』も収録され、当時の苛立ちや寂しさが伝わってくるようである。

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