「実はベストテン入りナシ」も、『木蘭の涙』など“愛され曲”多数…《スターダスト☆レビュー》が全世代から支持されている理由

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4月27日のコンサート会場は神戸国際会館こくさいホール。この日は、奇しくもスタレビにとって神戸でのコンサートが100回目という記念すべき日だった。

宇宙船が空に飛び立つように、「3・2・1」とボーカルの根本要がカウントし、1曲目が始まる。

スタレビ
ボーカルの根本要(写真:三浦麻旅子)

この日は、ニューアルバム『星屑冒険王』の収録曲から、2025年2月から3月にNHK「みんなのうた」で放送された楽曲『ナントとカナルの物語』をはじめ、『冒険王』『ゴールデンタイム・ヒーロー』などを披露。ほかにも、『おぼろづき』や『ふたり』といった、往年の名曲も歌唱された。

会場からは歓声はもちろん、「ダイスキ……」という、溜息に近い声が漏れ聞こえる。

さらに、観客には重要なミッションが待っている。スタレビのコンサートは寸劇スタイルである場合が多く、参加型アトラクションよろしく、頻繁に観客に協力を求めてくるのである。

「バックコーラスはお前らだ―っ!」

今回もその例にもれず、

「頼む、みんな、パワーを送ってくれ……」

根本要のおねだりに近い采配により、観客も歌ったり踊ったり、謎の呪文を唱えたり、拍手を送ったり、その場でジャンプしたりしてパワーを送るのである。大忙しだが、これがさらなる一体感をもたらすのだ。

そのため、必ずライブの最後にボーカルの根本要が「バックコーラスはお前らだ―っ!」と客席に向けて手を伸ばし紹介してくれるのだが、本当にかなり歌うので「マジで私は彼らのバックコーラスなのだ」とその気になり、誇らしげに胸を張り「うおおおお!」と高揚するのである。

そして思うのだ。またバックコーラスとして参加せねば、と。

スタレビ
異様な熱気と一体感で盛り上がるスタレビのライブ(写真:三浦麻旅子)

「星屑冒険王」のツアーパンフレットにも、こう書かれている。

「(ツアーでは)このアルバムの音が皆さんの声援や拍手で更に輝いたことでしょう。僕らも新しい『星屑冒険王』の音を皆さんと一緒に楽しみます」

「楽しんでくださいね」ではない。「一緒に楽しみます」。ここに彼らのスタンスが凝縮されている。

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