高齢者世代はお荷物どころか、急速に成長している「新興マーケット」。求められるのは「老い方を変えるのを後押しする商品やサービス」だ

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高齢者のマーケット
高齢者は概して若い世代より所得が多く、資産もたくさんもっていて、消費に回す金額も大きい(写真:Ushico/PIXTA)
高齢化を悲観的にとらえている人もいるかもしれない。一方、アメリカやイギリスでは個人消費の半分以上を50歳以上が占めるなど、高齢者世代の消費の規模は大きく、急速に成長しているという。
「人生100年時代」ブームを起こした全世界100万部のベストセラー『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)』の共著者アンドリュー・スコット氏の最新刊『ライフ・シフトの未来戦略』から、急速に成長する高齢者世代の新興マーケットについて、一部抜粋・編集の上、お届けする。

ロンドン・ビジネススクールの「長寿化のビジネス」

投資家はつねに、「次に来るもの」を血眼になって探している。その点、いま最も期待がもてるテーマは長寿化だ。途方もない数の人たちがかつてなく長生きするようになったこと、そして、よい老い方をすることが個人にとって途方もない経済的価値をもつことを組み合わせて考えると、そこにきわめて大きなビジネスチャンスがあることに気づく。

『ライフ・シフトの未来戦略: 幸福な100年人生の作り方』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら

私はロンドン・ビジネススクールで「長寿化のビジネス」と題した講座を開講している。

この講座では、さまざまな分野のゲスト講師を招いて、長寿化という、私たちの人生に起きつつある劇的な変化がいかに大きなビジネス上の可能性をもっているかを語ってもらっている。

長寿化の課題に対応するために必要とされる変化を実現するうえでは、個人と政府が大きな役割を果たすことが求められる。

しかし、企業が果たせる役割も同じくらい大きい。金融商品に限らず、長寿化の課題を達成するために必要な新しい商品やサービスをつくり、それを提供するのは、ビジネス界だ。

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