世界で最も平均寿命の長い国「日本」。企業が高齢化に対応するとき、「高齢者のニーズを満たすこと」以上に力を入れるべきこととは

高齢者のニーズを満たすだけでいいのか
『ライフ・シフト』が日本で多くの読者に読まれたことには理由がある。日本は世界で最も平均寿命が長い国であり、世界でも屈指のペースで社会の高齢化が進んでいる。日本は、世界のどの国よりも大きな「長寿化の必須課題」を突きつけられているのだ。
日本はこれまで、高齢化が急速に進行するなかでも経済成長を継続することに成功してきたと言えるだろう。
しかし、それだけでなく、現在の若い世代が未来の高齢者になったとき、歴史上最も健康で最も生産性が高い高齢者になれるようにすることを目指す取り組みでも、世界の先頭を走るべきだ。
そのために実行すべきことは多い。とくに、働き方の柔軟性を高めることと、予防医療への移行を進めることが重要だ。
また、日本の企業は、現在の高齢者のニーズを満たすことだけでなく、誰もがより長く健康を維持し、社会と関わり続けることを助ける製品やサービスを提供することにも力を入れなくてはならない。「シルバー・エコノミー」から、「エバーグリーン・エコノミー」へ移行すべきだ。
また、日本社会の人口構成は極端な逆ピラミッド型になっており、日本の若い世代は、自分たちの未来に投資することの大切さをよく理解する必要がある。そして、若い世代の人口の少なさを考えると、この世代への支援も不可欠だ。
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