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「いくら蹴っても壊れない」「俺の気持ちに火をつけてくれた」…髙田と天龍が共鳴した"トップの覚悟"

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僕もそれに憧れて真似しようと思ったんだけど、小手先じゃ無理。やっぱり内面から出てくるものであり、天龍さんが歩んできた人生そのものが生み出していた香りだったんじゃないかな。そして、同じような部分を猪木さんも持っているんだよ。

猪木さんもリングに上がると香りで会場の空気を変えていたから。そういう香りというものは、メインを飾るレスラーとして、なにより必要なものだし、それを強く持っているのが天龍さんなんだよ。

──そこが普通のレスラーとの一番の違いというか。

髙田 あとは一見、天龍さんは演歌に見えるんですよ。でも、実はロックなところもあって、相容れない演歌とロックを兼ね揃えたレスラーだと思うんですよね。激しく弾けるロックと、人々の心に染み入る演歌の両方を持っている。

だから、「すごいなあ」と思いながら全日本の試合を観ていましたね。男が男に惚れるというか。

天龍 あのね、レスラーにとって「コイツはすごいな、カッコいいな」と思える相手に勝つっていうのは、究極の快感なんだよね。だから一流のレスラーは一流の相手を求めるんだけど。

僕も髙田選手と相対した時、自分が先にリングインして、暗闇からガウンを着て現れる姿をリング上から見て、「これから俺はコイツと闘うんだな」という高揚感がありましたよ。

ピッチャーが長嶋茂雄と対峙したら、ホームラン打たれてもいいから直球勝負したいっていうのと一緒ですよ。

「髙田vsブッチャー戦」に感じた哀愁

──96年に2度にわたって行われた天龍vs髙田戦は、まさにそういう真っ向勝負でした。

天龍 あと、当時の話でいうと、俺と再戦する前に髙田選手がアブドーラ・ザ・ブッチャーとやってるんだよね(96年10月8日、大阪府立体育会館)。

あれを雑誌で見た時、髙田選手は「これまで自分が築いてきたものを崩してでも、トップの責任でみんなを食わせなきゃいけない」っていう気持ちでブッチャーとやったんじゃないかな、と思ったんですよ。

なんかね、哀愁を感じたというか、「髙田延彦、そこまでしないといけないの?」っていう気持ちが出たことがあったんだよね。

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【団体トップの苦悩】

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