ダラダラと休む人・戦略的に休む人の決定的な差

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これだけ「新しい働き方」が浸透しても、新しい休み方へのアップデートは大きく遅れています。

私たちは現代に即した「元気になる方法」を知り、実践していかなければなりません。元気のない人たちが集まったとて、既存の社会の問題点を変えていくことはできません。むしろその逆で、ストレスがかかった状態で正常な判断を下すことは難しく、信憑性のない言論に呑まれ、低きに流れていってしまう危険すらあるのです。

私たちが生きる現代はVUCAの時代と呼ばれて久しく、AIを筆頭に加速度的に発達するテクノロジーが、あれよあれよと世界のあり方を変えています。

これまでの資本主義は限界に来ていると世界の知識人たちが警鐘を鳴らし続けています。これまでの異常とも呼ぶべき経済成長が残した環境破壊や社会格差の問題は深刻であり、これ以上解決を先延ばしにすることはできません。

もはや、「この場に留まる」だけでは不充分であり、より良い社会が見える方向へ舵を切る必要があるのです。

となると、全力どころかその倍のスピードで動かなければ、到底間に合わない……。

まずは立ち止まり、一休みすること

では、どこに向かうべきなのか。残念ながら、その問いに答えられません。なぜなら「どんな社会が理想なのか」は、これから私たちが対話しながら作っていくべきものだからです。

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その対話をするためのエネルギーも、自分や社会を変えるためのエネルギーも、現代では枯渇しています。だから、「まずは蓄えることから始めませんか?」ということを訴えたいのです。どうやって、そのエネルギーを蓄えるのか。それは良質な暇について考え、実践することから始まります。

まずは立ち止まり、一休みすること。これが社会変革の第一歩になる。

「一歩目が立ち止まるって何だよ」というツッコミが聞こえてきそうですが、既存の社会システムの制度疲労が進み、その内側にいる私たちの多くが疲弊してしまっている今、これが最も現実的な提案ではないでしょうか。

森下 彰大 一般社団法人日本デジタルデトックス協会理事 / 講談社「クーリエ・ジャポン」編集者 / Voicyパーソナリティ

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もりした しょうだい

1992年、岐阜県養老町生まれ。中京大学国際英語学科を卒業。在学中にアメリカの大学に1年間留学し、マーケティングと心理学を専攻。学生時代は音楽活動にものめり込む。その後、日本語教育や貿易業に携わる傍らでメディア向けの記事執筆を副業で始める。その後独立し、2019年にライティング・エージェント「ANCHOR」を立ち上げ、記事制作業を本格化。現在は「クーリエ・ジャポン」の編集者として、ウェルビーイングや企業文化の醸成を中心にリサーチ・取材・執筆活動を行う。日本デジタルデトックス協会では企業・教育機関向けの講義やデジタルデトックス(DD)体験イベントを提供する。
米留学中にDDが今後の「新しい休み方」になると直感し、実践と研究を開始する。しかし社会人になり自身がデジタル疲れに悩まされるように。体調の悪化から危機感を持ち、会社員生活を続けながら小規模なDDイベントを始める。その過程で、「今の私たちに足りていないのは、余白(一時休止)ではないか」と考えるようになり、戦略的に余白―暇を作り出すための方法を模索。多忙な現代社会の中で人生を変えるための「戦略的“暇”」を提唱している。

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