藤野:本当なら、旧3本の矢を強力に推し進めていくだけでも十分だったのに、わざわざ新3本の矢を出す必要はなかった。フェイスブックやツイッターを見ても、「ずっこけた」という意見が多数上がっていました。
おそらく、安保法案について特に声を荒げて反対しなかった人の中には、これさえ終われば安倍政権が、実効性のある経済政策を打ち出してくるという期待感が高かったはずです。それがこの体たらくですから、支持率はさらに落ちる恐れもあります。私はさっさと新3本の矢を撤回し、改めて旧3本の矢を強力に推し進めていくという意思表示をするべきだと思います。
中野:孔子の言葉に「過ちては改むるに憚ることなかれ」というのがあるじゃないですか。君子は常にこの言葉を念頭に置いています。だから、「間違えました、ごめんなさい」と言って、新3本の矢はなかったことにすればいい。「過ちを改めざる是を過ちという」のですから。
渋澤:今回の政策については、来年の参院選を意識したものとしか言いようがないですね。
藤野:そういう浅はかな考えの人が作ったのでしょうね。
犯人は選挙コンサルタント?
中野:選挙コンサルタントあたりが犯人かも知れません。旧3本の矢で行けばよいのですよ。第一の矢については、量的金融緩和によって、徐々にデフレ脱却のムードは出ていますし、第二の矢については、まあ財政を逐次投入するのはやむを得ない。何よりも大事なのは第三の矢である成長戦略です。少子化対策にしても、女性の活用にしても、新3本の矢はすべてここに含まれます。
藤野:少子化対策にしても女性活用にしても、サブ概念です。「新3本の矢」という政策は、サブ概念だけを表に打ち出しているだけにすぎません。それ以前に、本当の意味で旧3本の矢を放ったのかを、きちっと検証する必要があります。特に第三の矢である成長戦略については、放ったのかわからない状態で今に至っていますからね。
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