「人質の全員返還」「停戦案受け入れ」こそガザ停戦のカギ、駐日イスラエル大使インタビュー、イスラエルは中東での和平拡大に意欲的

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アルベル・イェフドさん(29歳)については、約束の期日から遅れて解放しました。ハマスは人質を使って遊んでいるのです。残忍で恐ろしい遊びです。

この停戦は3つの段階に分けられていました(人質解放「33対2000」を受け入れたイスラエル参照)。

第1段階が終わった3月上旬、アメリカのウィトコフ中東担当特使から、停戦を延長してさらに人質を解放する提案がありました。イスラエルは17日間回答を待っていましたが、最終的にハマスが拒否しました。

それで私たちは人質を取り戻すため、再び戦わざるをえなくなりました。軍事的な圧力なくしてハマスは話し合いに応じないからです。もしハマスが人質を返すつもりがないのなら、その代償を支払うことになるでしょう。

ハマスが人質全員を返さず、停戦に合意しない

――人質を最後の1人まで取り戻すためのポイントは何でしょうか。

大使:単純なことです。ハマスがアメリカの提案を受け入れ、生死にかかわらず人質全員を返し、停戦に合意することです。

彼らがそうしないので、私たちは戦わざるをえないのです。イスラエル人は誰1人として戦争を望んでいません。誰も自分の子供を戦場に送りたくはありません。私たちは隣人と平和に暮らしたいのです。

しかし、この戦争が終わった後もハマスがガザを支配し続けるなら、また同じことが起きえます。ハマスは解体され、ガザは非武装化されなければなりません。それが実現した後に、将来的にどのように共存できるかを考えることができます。

日本の外務省も、ハマスが一般市民を拉致したことについて非難し、早期の解放を強く求めると声明を発表しています。私たちも同じことを求めているのです。アメリカのトランプ大統領は2025年3月5日、SNSで「今すぐ人質を解放せよ。さもないと、後で地獄の報いを受けることになる!」と警告しました。

しかし彼らは応じなかった。それなら私たちは、人質を取り戻すために別の手段を講じなければなりません。

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