「人質の全員返還」「停戦案受け入れ」こそガザ停戦のカギ、駐日イスラエル大使インタビュー、イスラエルは中東での和平拡大に意欲的

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第4次中東戦争(1973年)当時のイスラエル首相だったゴルダ・メイール(メイア)は、かつて「もしアラブが武器を置くなら平和は訪れる。だがイスラエルが武器を置けば虐殺が起こる」と言いました。まずアラブ側がテロを非難し、平和を望んで憎しみを広めないことです。

彼らのスローガン「川から海までパレスチナに自由を」(ヨルダン川から地中海までの意)は何を意味するのか。IS(イスラム国)のようなイスラム過激派がパレスチナ国家を樹立し、そこにはイスラエル人の居場所がないということです。

アラファトの裏切り

イスラエルはかつてアラファトと和平に取り組みました。しかしアラファトは、対外的に平和を望むと言いながら、対内的にはテロを推奨してテロリストを送り込み、イスラエルを欺きました。

そうした妄言にはもうだまされません。2023年10月7日が分水嶺となりました。1世紀にわたって続く紛争の中で、私たちは平和のためにあらゆる努力を行ってきました。そして今私たちに分かったことは、彼らを信用してはいけないということです。とても残念なことです。

私たちは、2020年に結ばれたアブラハム合意を今後も広げていきたいと考えています。サウジアラビアや湾岸諸国、オマーン、クウェート、北アフリカ諸国などは、私たちと敵対する理由がありません。インドネシアやモルディブなどのアジア諸国も同様です。

――イランについてはどうでしょうか。

大使:イラン国民であるペルシヤ民族とも戦う理由はありません。ペルシヤ民族は自由を希求し伝統を継承する民族です。

しかしイランの現政権が、国民の幸福や自由に生きる権利を奪いました。国民の財産を接収し、それをイラクやシリアの民兵組織、レバノンのヒズボラ、イエメンのフーシ派、ガザのハマスなどに与え、イスラエルを包囲する「火のサークル」を完成させました。

イランの核開発やイスラエルに向けられているミサイル、そして彼らが広めるテロリズムを認めるわけにはいきません。

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