「人質の全員返還」「停戦案受け入れ」こそガザ停戦のカギ、駐日イスラエル大使インタビュー、イスラエルは中東での和平拡大に意欲的

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――人質が全員帰還して戦争が終わった後、イスラエルはパレスチナ人とどう向き合うのでしょう。

大使:共存を願ってガザ住民と共に働いていたイスラエル人は、病気になったガザ住民をイスラエルで治療を受けられるよう手助けしていました。

そんな彼らを真っ先に殺したのがハマスです。子供を殺害し、その子供の前で母親を辱めて殺す。そんな野蛮人――これ以外に彼らを形容する言葉が見つかりません――に何が期待できるでしょうか。

一般のパレスチナ人に関しては、彼らがテロのない平和な世界を希求するなら、何かを期待できるかもしれません。イスラエルを滅ぼし、私たちを根絶やしにすることは不可能だということを彼らは理解する必要があります。

ハマスには2つの選択肢がある

彼らには2つの選択肢があります。イスラエル国家とそこに住むユダヤ人を認めて平和に共存するか、テロの脅しに屈するつもりのないイスラエル軍の影響下で苦しむか、どちらかです。

イスラエルはエジプトやヨルダン、アラブ首長国連邦(UAE)、バーレーン、スーダン、モロッコと平和条約を結びました。そしてパレスチナとも和平を試みてきました。

1993年のオスロ合意から始まり、2000年のキャンプデービッドの最終地位交渉、2008年にエルサレムで行われた首脳会談など、あらゆる提案を示してきました。しかしパレスチナ側はこれらすべてを拒絶し、暴力に訴えてきました。残念ですがこれが今までの経緯です。

もしパレスチナ人が平和の道を選んで共存を望むなら、私たちは大歓迎です。しかしテロリストの家族に報酬を払ってテロを扇動し、子供たちに武器を持たせて暴力を教え続けるような人々と、私たちはどのようにして平和を築けるのでしょうか。

――大使は日本の産経新聞のインタビューで、2020年にUAEと締結した平和条約である「アブラハム合意」(アラブ首長国連邦とイスラエル国間における平和条約および国交正常化)をイスラエルが拡大させ、各国との和平を広げていく「平和のサークル」について言及されました。

大使:平和のサークルにはいくつかの要素があります。まず各国が憎悪ではなく平和の教育を行うことです。イスラエル人やユダヤ人にも生きる権利があることを教育すべきです。

パレスチナ人にも権利があり、私たちにも権利があります。人々が安全に暮らすことを目指し、テロを排除すること。そして民主主義の原則である自由を認めることです。

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