人質解放「33対2000」を受け入れたイスラエル 自国の治安リスクよりも自国民の奪還を優先

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2025年1月19日、ガザ地区での停戦と囚人交換合意の第一段階において、ハマスの軍事組織アル・カッサム旅団によって解放された後、ラマット・ガンのシェバ医療センターで3人のイスラエル人女性人質が家族と再会した。母親との再会を果たしたロミー・ゴネンさん(写真:GPO/Handout/Anadolu via Getty Images)

2025年1月19日(現地時間11時15分)、パレスチナ自治政府ガザ地区を実効支配するイスラム武装組織ハマスとイスラエルの6週間(42日間)の停戦が発効した。この時点でハマスに拉致されたままのイスラエル人人質は97人、うち35人はすでに死亡していると推測されている。

ハマス・イスラエル戦争が始まってから471日目のこの日、停戦発効に伴い人質3人が解放された。残る人質94人のうち生存者は59人。今回の停戦協定では合計33人が解放されることになっている。その全員が帰ってきたとしても、死者を含め64人は残留することになる。

トランプ大統領のSNS投稿

停戦協定によると、次は2025年1月25日に4人の女性を解放し、その後は土曜日毎に3人を解放、そして停戦最終日の3月2日には14人を解放するという合意になっている。

2024年12月3日、アメリカのトランプ大統領(当時当選者)は、自身のSNS「Truth Social」で、次のような主旨のポストを公開した。

「私がアメリカ大統領に就任する2025年1月20日までに人質が解放されなければ、中東と人類に対するこれらの残虐行為を犯した責任者は、地獄の報いを受けることになる。今すぐ人質の解放を!」

この圧力が背景にあったのは間違いない。ハマスは人質解放合意に積極的に動き始め、大統領就任前日というタイミングで停戦が発効した。そして同日、イスラエル人女性3人が解放され、パレスチナ囚人90人が釈放された。

解放されたイスラエル人は、ロミー・ゴネンさん(24)、エミリー・ダマリさん(28)、ドロン・シュタインベルヘルさん(31)の3人。

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