
袖ヶ浦フォレストレースウェイの直線路(400m)では130km/h程度で巡航したが直進安定性は従来型の30%増しという印象。ハンドルのセンター付近の落ち着きが高く、そこからステアリングを切り込んでいく際も挙動は安定傾向だ。
これはサブフレームを追加した「フルインナーフレームSGP」の効果に加え、「構造用接着剤」の塗布量を従来型から約3.4倍に増やしたこと、さらにはシートをシャーシ側に直付けした専用構造を採ること、そして天井部分の剛性と静粛性能を同時に高める「高減衰マスチック」などによる効果だ。この高減衰マスチックとは、強い弾性接着剤のことで共振抑制や音圧低減をもたらす。SUBARUでは1台あたりの使用年数増加を考慮して、減衰効果の長持ちする弾性接着剤を用いた。また、軽量で強いボディを実現する高張力材(980Mpa以上)の使用量も従来型から約2倍に増やした。
SUBARU流のこだわり、動的質感とは

ところでSUBARUは「動的質感」という言葉を用いクルマの性能を高めている。動的質感とは“走りの質感”だ。たとえば上質な生地を使ってスーツを仕立てれば、触り心地、着心地だけでなく見た目にも質感の高さを感じる。同様に動的質感を高めると、低速域~高速域までの走行性能が良くなるだけでなく、長時間ドライブでも疲労感が少なくなる。
今回の試乗シーンでは、その動的質感と向き合うため最高速度を60kmに抑えて走らせた。市街地で周囲の流れに合わせて走るイメージだ。まずは1.8Lターボからコースに入る。
スタート直後の左コーナーで早くもスッキリとした乗り味を体感する。ハンドルを指2本ぶんほど切ったあたりから従来型にはない車体との一体感が高まってくる。これは主に、微細な振動や応答遅れを取り除くフルインナーフレーム構造を採用した「SGP」(スバル・グローバル・プラットフォーム)と、「2ピニオンステアリング機構」による相乗効果だ。
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