自動車に代表される製造業の競争戦略はどうあるべきか リアルタイムデータと生成AIで競争優位を確立する方法

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モノづくり技術に加えるべき5つの観点

そして、日本の製造業が、これまで培ってきた高品質なモノづくり技術に加えるべき次の5つの観点を提言しています。

① 顧客は、自社の製品をどのような場面で利用し、どのような課題を解決したいのか(顧客の真の課題)
② どの顧客接点でどのようなパーソナライズしたサービスを提供するか
③ タンジブルな製品にソフトウエア・センサーを埋め込みコネクト化することにより、どのようなサービスが提供できるか
④ そのためには、どのようなデータをどのように取得し、活用するか
⑤ 自社単独で実現できるか。連携が必要か。どの企業と連携するか

製品の利用シーンを幅広く捉えて顧客の真の課題を理解し、その解決のために必要な製品やサービス(コネクテッド・インタンジブルな製品・サービス)を他社と連携して提供するサイクルを繰り返すことで、顧客価値が高く競争優位性のあるソリューションを創出することができるのです。

著者たちは、日本企業が「フュージョンストラテジー」を採用することで、「単なる日本製(Made in Japan)」を超え、「日本で知的に設計された(Intelligently Designed in Japan)」製品やサービスの創出が可能になる、と述べています。

本稿が、日本の特に製造業において経営戦略・事業戦略策定に携わる方々にとって、1つの示唆や着想のきっかけとなれば幸いです。

須藤 淳一 株式会社クニエ シニアパートナー

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すどう じゅんいち / Junichi Sudo

株式会社クニエ シニアパートナー 製造インダストリーリーダー
製造業向けコンサルティングサービスリーダーとして自動車、自動車部品、重工業、工作機械、産業機械等の顧客課題に精通し、R&Dや設計領域の業務改革/システム導入、工場全体の生産革新、インダストリー横断のプラットフォームビジネス企画など、製造業だけでなく業界団体や省庁と連携するような多岐にわたるプロジェクトをリードしている。

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NTTデータ・コンサルティング・イニシアティブ

NTTデータグループでコンサルティング業務を担う、株式会社NTTデータ内の組織、株式会社NTTデータ経営研究所、株式会社クニエ、株式会社NTTデータ数理システムの4社の事業連携。編著書に『フォーサイト起点の社会イノベーション:新たな価値を創出するため企業は何をすべきか』(日本経済新聞出版、2024年)。訳書として『デジタル変革を成功に導く5つの能力 5つの筋力』(ダイヤモンド社、2023年)、『生成AI活用の最前線』『フュージョンストラテジー』(東洋経済新報社、2025年)がある。

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