「商品の良さ」の一方的なアピールはNG…営業先での【突破口】につながる上手な"視点のずらし方"

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例えば、最近のことですが、私は「さゆり」さんという女性と打ち合わせをすることになっていました。そこで、ちょっとしたドリンクでも買って用意しようと思って、打ち合わせ前にコンビニに立ち寄りました。

少し肌寒い日だったので、普通の人なら温かいお茶かコーヒーを買うところです。ただ、それだけではちょっと面白くないなと思いながら、コンビニをウロウロしていたら、たまたま「白湯」を売っているのが目に入ったんです。

そこで、思い出したのが「さゆり」さんというお名前です。私は、白湯と一緒にマジックペンも購入して、パッケージの「白湯」の文字の隣に「リ」と書き加え、打ち合わせの席に持っていきました。

さりげなく白湯を置いて、「あなたのために僕がプロデュースして、お湯を発売しました」と言うと、さゆりさんが、「あっ、本当だ!『白湯リ』って書いてある」って驚いて手に取ると……、「これ、あなたが書いたでしょ!」と、かなり大ウケでした。

もうこれで雑談は必要ありません。「野呂さんって、面白い人」と思われて、その後の打ち合わせは盛り上がりました。

こうして、「白湯」という言葉から連想して、別のワードにするのも1つの視点のずらし方です。ただのダジャレのように思われたかもしれませんが、例えば商品のネーミングを考える際には、こうした視点のずらし方が活きます。

さらに、このケースでは飲み物を単に喉を潤すものと捉えるのではなく、相手に自分を印象づけるツールだというふうに視点を変えた、という側面もあります。

私は、どうすれば人を笑わせたり喜ばせたりできるかを常に考えるクセがあって、今回もちょっと仕込んだだけです。ただし、私は子どもの頃から面白いって言われるタイプではなく、これも訓練でなし得たことです。

今も名を残す「ガリガリ君伝説」

私は雑談の場で、基本的には天気の話はNGにしていますが、天気の話で退屈しない方法を考えたことがあります。

ある夏の日。連日の猛暑で「暑いですねぇ」という話は食傷気味でした。でも、まず取り交わす雑談としては避けられない切り出しで、何かインパクトを与えられないか考えてコンビニに寄って仕込みを行いました。

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