行き遅れる20代女性たち、結婚できない「子ども部屋おばさん」が量産される日本社会の根本問題

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男性はそんなに厳しいのに、女性は働いていなくても構わないというのは、結婚相談所の連盟の規約に基づくルールで、私が結婚相談所を始めた16年前から変わっていません。現代においては違和感があり、時代の変化に追いついていない面があるともいえます。

陽菜さんの話に戻しますと、陽菜さんは2カ月という短期間で、12〜13人の男性とお見合いをし、最終的に4歳年上の男性と婚約しました。もっと貪欲に何十人もの人とお見合いする人もいますが、陽菜さんの場合はやみくもに会うのではなく、一人ひとりと丁寧に向き合いながら婚活を進めました。

「これまで結婚はもちろん、交際すら意識するような男性に一度も出会ったことがなかった。結婚相談所ではこんなに短期間で多くの男性と話すことができ、しかも結婚したいと思える男性と出会えてとても合理的」と彼女は喜んでいました。

母親のシュウマイに文句をつける40代

昨今は一人っ子が増えた影響か、陽菜さんのような恋愛経験に乏しい「箱入り娘」は珍しくありません。厳格な家庭で育ち、大学生になっても厳しい門限があったり、バイト先まで父親が迎えに来たり……。

異性との交流が極端に制限されてきたために異性への接し方もよくわからない状態で、いざ20代、30代になって「自分をプロデュースして結婚相手を見つける」という難題に直面したときにうまくいくわけがありません。

そのまま時が過ぎ、気づけば40代に……というパターンもあります。その結果、ずっと親と同居し続け、70代の母親に料理・洗濯・掃除をしてもらう「子ども部屋おばさん」と呼ばれるような存在になってしまうのです。

40代の女性・絵美さん(仮名)は、母親が夕食にシュウマイを作ってくれたのに「えー、シュウマイ? ほかに何かないの?」と平気で文句を言い、改めてオムライスを作ってもらったそうです。父親は「お前の教育が悪いからこうなったんだ。お前がなんとか結婚させて自立させろ」と母親を責め、結婚相談所に相談することになりました。

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