「いつか使うかも」「思い出の品だから」モノを捨てられない人に潜む《ためこみ症》という心の病 片付け業者よりも必要な対策とは?

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頭を抱える人物
モノを捨てられない人が知っておきたい病気について解説します(写真:hellohello/PIXTA)
テレビや動画配信サイトで見たことがある「ゴミ屋敷」。モノを大量にためこむ背景に、心の病気が隠れているのかもしれない。その代表が「ためこみ症」だ。
家にモノがあふれている人や、片付けが苦手な人が知っておきたいこの病気について、九州大学大学院医学研究院精神病態医学教授の中尾智博さんに聞いた。

段ボール箱をたたまずに

まずは実際のケース※をもとに、プライバシーに配慮したうえで紹介したいと思う。

子どものころから片付けが苦手だった60代の女性Aさん。

厳格な父のもとで育ち、社会に出て一人暮らしをするなかで、段ボール箱にモノを入れるようになった。父の死後、一緒に住むようになった母がモノを処分していたが、母が亡くなると再び一人暮らしとなり、段ボール箱を集めるように。

その数、ざっと300個以上。3LDKの自宅には、空き箱がきちんと組み立てられた状態でうず高く積まれ、廊下とトイレ以外への行く手を阻んだ。

段ボール箱はたたまないのがAさんのこだわりで、玄関を入ったわずかなスペースに布団を敷いて寝ていた(※外部配信先では写真を閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)。

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