【開発者に聞いた】ソニー・ホンダ「協業の仕方」をAFEELA 1のデザインから解き明かす

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8万9900ドル(約1400万円)からの価格で市販型が発表された「AFEELA 1」を深掘りする(筆者撮影)
8万9900ドル(約1400万円)からの価格で市販型が発表された「AFEELA 1」を深掘りする(筆者撮影)

ソニーグループ(以下:ソニー)と本田技研工業(以下:ホンダ)の合弁によって生まれた自動車会社、ソニー・ホンダモビリティが作るEV「AFEELA 1(アフィーラ ワン)」とは、どんなクルマなのか。

【写真】市販型第1号「AFEELA 1」の内外装を詳しく見る(20枚)

発表の場になったアメリカ・ラスベガスのCESでは、同国カリフォルニア州や我が国での納車開始予定時期が公表され、価格もアナウンスされたが、まだ「乗ってどうか」という段階ではないこともあり、筆者もいまひとつ理解できなかった。

そこで、デザインを通してAFEELA 1を理解しようと思い、デザイナーに話を聞くことにした。

対応していただいたのは、デザイン&ブランド戦略部でヘッドを務める石井大輔氏と、ゼネラルマネジャーの河野拓氏だ。

取材に答えてくれた石井大輔氏と河野拓氏(筆者撮影)
取材に答えてくれた石井大輔氏と河野拓氏(筆者撮影)

石井氏はソニー出身、河野氏はホンダ出身であるため、AFEELA 1のデザインに込めた哲学や思想、プロジェクトの進行過程だけでなく、このクルマの中にあるソニーらしさ、ホンダらしさについても教えていただいた。

戦後のモノづくりを支えてきた2社の共通点

ソニー・ホンダモビリティが設立されたのは2022年。プロジェクトの当初から、スタイリング、UI/UX、ブランドなど、さまざまな分野のデザイナーが「50:50」の比率で両社から集まり、ディスカッションを進めていったという。

会社が違えば、意見の相違などが出てきて当然だ。しかし、ソニーとホンダのデザインチームの場合は、そういうことは少なかったという。

「両社のデザインには、似た背景があります。ともに第2次世界大戦後のモノづくりを支えてきたうえで、ホンダのM・M(マンマキシマム・メカミニマム)思想と、ソニーのウォークマンに代表されるミニマリズムなど、底辺にあるものは同じだと感じました。個人的にも学生時代には『ワンダーシビック(3代目シビック)』に乗っていました」(石井氏)

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