実は日本技術の結晶「インドネシア製電車」の中身 中古車両導入は途絶えても「日本式」に高い信頼

四角いボディ、山手線などで活躍する「E235系そっくり」なグラデーションのデザイン、そして警笛や走行音まで、まるで日本の通勤電車――。
3月18日深夜から翌日の早朝にかけて、インドネシアの国営鉄道車両製造会社(INKA)マディウン工場が製造したジャカルタ首都圏向け新型通勤電車「CLI-225型」12両編成が同国ジャワ島中部で初の本線試運転を行った。
この車両は、2023年3月にINKAとインドネシア通勤鉄道会社(Kereta Commuter Indonesia:KCI)の間で契約された16本192両(契約額は約3.83兆ルピア=約342億3800万円)のうちの1本目の車両である。性能確認試験を実施した後、ジャカルタ首都圏に輸送し、運用開始に向けた準備が進められる。
インドネシア国産の「日本式」電車
国産通勤電車プロジェクトはインドネシア政府の肝いり事業である。2022年5月のスイス・シュタッドラー社とINKAの提携、2023年6月の日本からの中古車両輸入停止という政府判断、さらには同年12月、中古車導入の代わりとして中国中車が新車を受注と、一見すれば日本にとって逆境のようにも見えたこの数年間。実はその裏で、日系メーカー各社とINKAの見えざる奮闘があった。
政府開発援助(ODA)を通さず完全に民間ベースで契約した日系メーカーの機器類を搭載し、INKAが単独で製造したインドネシア初の国産通勤電車がついに走り出す。国産電車の開発は30年来の悲願であり、日本とインドネシアの関係性は次の一歩に踏み出した。
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