実は日本技術の結晶「インドネシア製電車」の中身 中古車両導入は途絶えても「日本式」に高い信頼
当初、国産通勤電車はシュタッドラー社とINKAの合弁で開発が進む予定であったが、KCIの猛反発により、日本仕様で再設計された経緯がある(2024年2月9日付記事『インドネシア新型電車「中国受注」でも日本に商機』参照)。
2008年にKCIが設立されて以来、同社は日本から中古車両を継続して導入し、現場レベルで日本の設計思想による車両の整備、運転扱いを会得しており、欧州仕様の車両はもはや受け入れ難かった。日本の中古車両を教材として育った現場たたき上げ社員の一部は本社の幹部となっている。2015年にはJR東日本との包括連携を結んだこともあり、会社レベルでもメンテナンス支援や部品調達の面で強い信頼関係を築いている。
CLI-225型には多数の日本製品が採用されており、2023年11月には東洋電機製造が電機品一式(主制御装置・主電動機・補助電源装置・歯車装置・集電装置)、2024年2月にはナブテスコがブレーキ、ドア開閉装置の受注を発表している。

「納期1年」の中国製に追いつく
これは護送船団方式と呼ばれるようなODAの日本タイド案件ではない。国際入札を通して日系メーカーが勝ち取った契約だ。このほかにも、空気バネ、連結器、ラインデリア、冷房装置の一部などにも日本製品の採用が確認されている。
一方で、車軸と車輪は日本メーカーが失注、中国の太原重工が受注した。また、コンプレッサーおよび主幹制御器はそれぞれドイツのメーカーが受注している。

しかし、「コアジャパン」の観点から見れば、日本は十分に健闘したといえる結果だろう。とくに今回、「動く」「止まる」というコアとなる部分を日系メーカーが受注したことは大きく、車両品質の担保にも貢献している。192両という大型民間案件の大部分を日系メーカー各社が勝ち取ったのは、日本の鉄道車両システム輸出史に刻まれるべき好事例だ。
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