ソニー「解体」の日

復活への処方箋はあるか《下》

 ここでの切り札は、ソニーが誇る音楽や映画などソフト事業。かねてからストリンガー氏は、「ソニーの音楽や映画といったコンテンツは、アップルもサムスンも持たない最大の強み」と強調してきた。その強みを生かすために「ハードとソフト(コンテンツ)の融合」がカギになるとしており、平井氏も同じ考えを表明している。

これに対してソニー関係者は懐疑的だ。「ネットワーク戦略も、ハードとソフトの融合も、出井(伸之)氏が社長だった10年前から掲げてきたのに実現できていない。これから実現できるとは到底思えない」と本音を漏らす。

ハードとソフトの融合 幻想からの脱却を

創業者の盛田昭夫氏は、1968年に米国最大の放送会社CBSと合弁でレコード会社を設立した。目指したのは、「ハードとソフトの両方を持つことの相乗効果」だ。

70年代後半の家庭用ビデオの規格争いで、ソニーのベータマックスが日本ビクターのVHSに敗北したことで、この路線は加速する。89年にはコロンビア映画を買収。04年には、映画会社MGMを投資会社3社と協同で買収している。

80年代の音楽CD立ち上げではソフトの力が遺憾なく発揮された。当時、CBS・ソニー(現ソニー・ミュージックエンタテインメント)がレコード市場で有する高いシェアを武器に、ソニーはCDソフトの量産化に踏み切った。CDプレーヤーと両輪で普及を進めたことで、デジタルオーディオ時代でソニーはリーダーシップを取ることに成功した。

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