「人材」ではなく「人財」で他社と差別化--葬祭事業ティアの「人財」開発戦略

「人材」ではなく「人財」で他社と差別化--葬祭事業ティアの「人財」開発戦略

葬祭事業は、数少ない高成長産業といわれている。確かに、高年齢者が増加する一方である今の日本社会では、葬祭が多くなることは間違いない。

名証2部のティアは、葬祭事業で大手企業の一角を占め、名古屋など中部圏や大阪など関西圏に葬祭会館をドミナント展開している。同社は、いずれは最大マーケットの首都圏に進出を図る意向を見せている。高い品質のサービスの追求、加えて価格の透明性を武器にしている。お客サイドのニーズにフィットしようとする企業努力を続けているのが強みといえるだろう。

価格もサービスの一環ともいえるが、祭壇の価格などがプラン別に明示されている。料金の設定が明確でわかりやすい。お客側からすると、葬祭というのは不慣れで戸惑いや不安が大きいが、価格設定がクリアにされている。

価格以上に重要なのがサービスだ。葬祭には、専門性やスキルが必要だが、お客の心情を配慮した心配り、気配りなどの「心のサービス」が不可欠である。同社は、「ティアアカデミー」という教育機関をつくり、技術、知識のみならず「心のサービス」ができるように社員教育に努力している。

社員教育を担当するのは「人財開発本部」

ティアが、かねてから打ち出しているのが、「当社は、葬祭業である前にサービス業。スタッフは人材ではなく人財」(富安徳久社長)という考え方だ。「人材」を「人財」にするために、同社が重視しているのが社員教育である。

「力を入れているのは心の部分。心の部分のサービスは、どこまでいっても修了はない。人が差別化になる。サービスに付加価値をつけるのは人だ」

社員教育を最前線で担当している人財開発本部の松山登・部長代理は、そう語っている。ティアでは「人財開発本部」と組織名にも「人財」が使われている。

社員教育では、葬祭知識、宗教・宗派知識、葬儀施行技術知識などは当然のことながら徹底して浸透させる。宗派の違いで、葬祭の進め方や規則が違うというようなことがある。オンザジョブ、オフザジョブの双方で、ルール、手順、マニュアルなどを伝えていく。間違いがあってはならない仕事であり、これはこれできわめて重要だ。

 

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