「ノートはきれいに書かない」「自分の言葉で置き換え」…《独学で東大現役合格者》が指南する、成果を最大化する学びの技術とは?
このように、体制化と精緻化の両方を意識してノートを取ることができれば、それは単なる「まとめ」ではなく、自分の頭の中を視覚的に整理するための強力なツールとなります。ノートをどう取るか。それは、勉強の成果を大きく左右する重要な鍵なのです。
記憶は「バケツ」ではなく「クリスマスツリー」
多くの人は、記憶には“容量”があり、それを超えると古い記憶がこぼれ落ちてしまうと考えがちです。まるでバケツに水を注ぐかのように、「もうこれ以上は覚えられない」という限界があると錯覚しているのです。
ですが、こうしたイメージは正確とは言えません。記憶を“バケツ”のように捉えるのは、学習の本質を見誤る危険があります。
実際には、記憶はもっと柔軟で、広がりのある構造をしています。新しい知識をただ詰め込むのではなく、すでに持っている知識と結びつけながら整理していくことで、記憶の容量はむしろ拡張されていきます。
こうした記憶の構造を理解するうえで有効なのが「クリスマスツリー」という比喩です。
クリスマスツリーには無数の枝があり、そこにさまざまな飾りがつけられています。新しい飾りを加えようとしたとき、すでに枝が広がっていれば、それを支える場所はたくさんあります。
同様に、知識も、あらかじめ持っている情報の“枝”に新たな情報を引っかけることで、効率よく覚えることができます。つまり、知識が増えれば増えるほど、新しい知識もさらに記憶しやすくなるということです。
たとえば、まったく予備知識のない状態で専門用語や定理を覚えようとすると、その言葉自体がどこにもつながらず、すぐに記憶から抜け落ちてしまいます。
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