「ノートはきれいに書かない」「自分の言葉で置き換え」…《独学で東大現役合格者》が指南する、成果を最大化する学びの技術とは?

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

これは単に見た目の問題ではなく、頭の中で情報の優先順位や関係性を捉えられていないことの表れでもあります。ノートは、自分の思考や理解の状態がそのまま可視化されたものなのです。

では、どのようにノートを取ればよいのでしょうか。

体制化と精緻化を意識してノートを取る

まず意識したいのが「体制化」です。
これは、情報を構造的に整理する作業のことを指します。

例えば、1行ごとにスペースを空けて書く、重要な部分は色を変えたり文字を大きくしたりして強調する、内容ごとに項目を分けてまとめる、といった工夫です。ノートを「見やすくする」というのは、単なる装飾ではなく、記憶を引き出しやすくするための技術なのです。

次に重要なのが「精緻化」です。
これは、新しい知識を、すでに自分の中にある情報と結びつけながら学ぶ方法です。

認知心理学でも有効性が示されているこの方法は、単なる丸暗記とは異なり、「意味のある情報」として脳にインプットされます。例えば、歴史の年号をただ数字として覚えるのではなく、「なぜその出来事が起こったのか」「その出来事が後の社会にどのような影響を与えたのか」といった背景や因果関係をセットで押さえることで、覚える量は増えるのに、知識どうしが有機的につながり、覚えやすくなるのです。

ノートを取る際にも、この精緻化の考え方を取り入れると、学習効果が大きく高まります。黒板の内容をそのまま写すのではなく、「これはどういう意味なのか」「この知識は自分の知っているあの出来事とどうつながるか」と考えながら、自分の言葉で書き換えてみることが大切です。また、先生が授業中にふと口にした雑談やエピソードなども、後で思い出すときの「フック」になります。

次ページ「記憶には“容量”がある」という考え方は危険
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事