生産は、アイスもアイスケーキも、国内の自社工場で行われる。完成後冷凍され、全国にある倉庫を経て、最低でも週1回は各店へ配送するそうだ。この生産や流通過程、そして店舗でも温度管理を厳しく行っており、クオリティを担保している。これも、「体験価値を低下させない」工夫の1つだ。
「アイスクリームには法律的に賞味期限がありませんが、安心安全とおいしさを両立できる社内規定があり、しっかり守っています」と橋本さんは真摯に語る。

3年間で全店舗の75%を改装
そんなサーティワンの業績は今、非常に好調だ。売上高は2022年12月期~2024年12月期にかけて、3年連続で過去最高を更新。2024年3月期は300億円台に到達しており、前期比23.9%増を記録している。純利益は約15億4300万円で、こちらも前期比28.4%増。店舗あたりの年間平均売上高も5944万円と過去最高である。
好調の理由は来店者数、販売数が伸びたことにある。その要因となっているのは2021年に発表された「長期経営計画」だ。経営陣が刷新したタイミングではじめられ、累積の効果が着実に出ているのだ。長期経営計画には、「ブランディングの強化」「デジタル化」「生産流通や組織の最適化」「販売拠点の拡大」の4つの柱がある。
なかでも、「ブランディングの強化」の目的で進められている店舗の改装は、来店者数、販売数の増加につながっていると橋本さんはみる。2024年までの3年間で、全店舗のなんと75%を改装したそうだ。

「改装のスピード感は、フードビジネス業界でも希少なことだと認識しています。既存の店舗であっても、消費者の『ブランド体験』が飛躍的に向上するとともに、スタッフのモチベーション向上にもつながりました」と自信を見せた。
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