実は「何種類やってもOK」なサーティワンの1さじ試食。「消費者との信頼を築き、ファンを生み出す」様々な施策の深いワケ

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「体験価値」に話を戻そう。サービスにおいても、そこは徹底されている。サーティワンはスマート化せず、ハンドtoハンドのサービスを重要視。「注文したら、目の前で器具を使ってアイスを丸める」など、臨場感のあるもてなしの「体験」を大切にしているのだ。

スタッフ
オーダーしたら目の前でアイスを丸めてくれるのも「体験価値」のひとつ(写真提供:サーティワン)

毎日食べても飽きない「32種類」を

これも著者は知らなかったのだが、サーティワンには、一部店舗をのぞいてフレーバーが32種類ある。そして、「サーティワン」という店名もそこに紐づいている。「毎日来ても1カ月間、異なるフレーバーを楽しめる」という意味なのだそうだ。

ブランドのロゴ「BR」は、アメリカ本国のブランド名「Baskin-Robbins(バスキン・ロビンス)」にちなんだものだが、そのなかにも「31」の文字が埋め込まれている。実に強いこだわりだ。

いやいや、じゃあ31種類でいいんじゃないの?と思われたかもしれない。32種類あるのは、各店がもう1つ、フレキシブルにフレーバーを足しているからだそうだ。「毎日1カ月来てもあと1つ、32種類目が選べる楽しみがある」ことが目的なのだとか。

ロゴ
アメリカ本国のブランド名「Baskin-Robbins(バスキン・ロビンス)」にちなんだロゴの中央には「31」の文字が隠れている(写真提供:サーティワン)

それに加えて、フレーバー32種類のうち12種類は、3カ月に1回変更している。「四季の味を楽しめる」という、体験価値の向上を考えてのことだ。フレーバーは元々、アメリカのものをそのまま輸入していたそうだが、近年は、日本の客に合わせて独自に開発したフレーバーが増えているそうだ。

いずれにせよ、各フレーバーのレシピは世界共通。日本で開発したフレーバーは、アメリカで承認をもらってから販売をするそうで、そのまま海外で販売されることもある。

フレーバー32種類
フレーバー32種類のうち12種類は、3カ月に1回変更される(筆者撮影)
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