中国で成長著しい「ショートドラマ」 日本でも急速に動き出す市場 どこまで根付くか

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今回の上海滞在では、現地メディアの取材を受け、関係者とのミーティングを持つなど精力的に動き、Heloを主軸とした新たな日中協業ビジネスの手応えを得たという。

「日中両国の財産を生かして、日本ならではのショードラフォーマットを開発することで、世界市場を目指しますが、まずはショードラカルチャーを日本に根付かせていきたいです」(大﨑氏)

すでに、Heloは中国のメインストリームのプレイヤーとなるSMGやTikTokグループとは、それぞれのコンテンツの日本へのアウトプットになることだけでなく、共同でのオリジナルIP開発やコンテンツ制作の話が進んでいるとする。

また、CMCのマネージングディレクター・張琳氏は、この先の中国市場について「ここから先の5年は2桁成長を継続することが見えている」と語った。

日本市場へは「これから本格的に立ち上がるところですが、ショードラは若者のライフスタイルとマッチしています。ただ、日本の視聴者は作品のクオリティへの要求が中国より高い。中国コンテンツに字幕を付けるだけでは市場獲得は難しい」と期待とともに課題も掲げた。

新興業界の社会的地位向上への願い

本フェスの背景には、中国のショードラ業界の地位向上への願いもある。拡大を続けてきた市場規模は昨年ついに1兆円を超え、映画興行を大きく上回るまでに成長したが、業界の社会的認知と地位としては、エンターテインメント産業の新興業界であり、歴史ある映画やドラマとは同格に見られていない。そんな状況を変えていこうと業界が国とともに足並みを揃えて動き出したのが本フェスだ。

実質的な第1回となった今回は、国や市をはじめ、大手メディアグループのトップたちが勢揃いし、業界のプレゼンスを世の中に発信するとともに、次なる時代に向けた足場を固めた。そこに日本も参画した意義は大きい。

日本市場はまだ立ち上がりつつあるところだが、ショードラ先進国である中国が、市場としても、制作のクリエイティブにおいても、日本のポテンシャルを高く評価し、熱い視線を送っていることが、今回のフォーラムからひしひしと伝わってきた。

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