「すき家でネズミの死骸入り味噌汁が提供」→「2カ月対応せず大炎上」 《すき家のネズミ混入事件》が、他の外食企業にとって他人事ではない訳

✎ 1〜 ✎ 111 ✎ 112 ✎ 113 ✎ 114
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

繰り返し、これは一般論であり、ゼンショーや「すき家」での原因を断定するものではない。

どんな対策ができるのか

では、どうすればいいだろうか。おそらくプラグマティックな観点からの経営が必要だろう。さらに対策の短期化とトレーサビリティだ。

まず、SNSが短期間に問題を拡散する可能性があった。しかし、企業としては短期間で原因究明できない。その場合、結局は、消費者の信頼をつなぐために、できうることをやる、ということになるだろう。

まずは、未完成の状況でも、(即日とまではいわないが)できるだけ早めに「事象」「現時点でわかっている原因」「わかっていないこと」「今後のスケジュール」を公開する。そして、現時点でできうる限りのことを実施していると真摯に説明すること。透明性を図ること。

買い負ける日本 (幻冬舎新書 696)
『買い負ける日本』(幻冬舎新書)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

そして、次に、私はいよいよ各工場と各店舗に、トレーサビリティシステムを構築する必要が出てきたと感じる。トレーサビリティとは、追跡可能性だ。

今回、調理段階ではネズミが混入していないとカメラで確認したそうだが、ではどの段階なのか。さらに以前の工程か。それとも、調理後にインシデントでネズミが入ったのか。

あるいは、客に提供してから、そのわずかな時間に入ったのか。完全証明システムが自社の改善とともに、自社の潔白証明にもなるのではないだろうか。

やや企業に寄った意見ではあるものの、決してゼンショーだけに起きうる問題ではないはずだ。本件が他山の石になるよう、私はこの事件をきっかけに日本飲食全体の改善を祈っている。

次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事