東京電力・偽りの延命、なし崩しの救済《1》--攻める経産省、抗う東電

「東電と機構においては、一時的な公的管理も含めてあらゆる可能性を排除せずに総合計画を検討してもらいたい」

昨年12月末、枝野経産相がこう発言した時点で、かねてうわさされていた国有化路線が固まった。本来なら今頃は、東電と原賠機構は手を携えて、総合計画の総仕上げをしているはずだった。ところが、二者の足並みはまったくそろわない。

「3年もすれば自立できる」 経営権譲らない東電

それもそのはず、今の総合計画案は、東電にとって容易に受け入れがたい内容なのだ。

まず、2013年3月期中にも東電へ1兆円の公的資金を投入し、3分の2超の議決権を掌握する。そのうえで、金融機関からも1兆円の追加融資を募る。

その前提として、自由化部門に加えて、規制(一般家庭用)部門の最大10%程度の料金値上げと同時に、新潟・柏崎刈羽原発の再稼働を盛り込む。委員会設置会社へ移行し、現経営陣をすげ替える案も出ている。

東電も、値上げと再稼働については、異論はない。しかし、原賠機構による5割以上の出資が問題だ。東電は、出資比率の引き下げや、普通株に議決権のない優先株を組み合わせるなどして、原賠機構による経営への関与を最低限に抑えたい考えだ。「東電はまだ自力で完治できると思っている。いちばん虫のいい案は、政府がカネは出しても、口は出さないこと。3年もすれば自分たちでやっていけますから結構です、と考えている」。運営委の一人はこう憤る。

東電が強気を貫く背景には、国が矢面に立つことを嫌う財務省と、民営化にこだわる東電の利害が図らずも一致していることがあると見る向きもある。

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