アキュセラ、近く新たなパイプラインを発表 経営復帰から5カ月の窪田良CEOに聞く

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「リスクをとってパイプラインをどんどん増やす」と窪田良CEO(撮影:梅谷秀司)
2014年12月、取締役会の対立でCEOの座を追われたアキュセラ(東京証券取引所マザーズ外国部上場)の窪田良博士が大株主SBIグループの支援を得てCEOの座を奪回したのが今年5月。それから5カ月。アキュセラの取締役会のメンバーは総入れ替えとなり、新たな研究者も迎え入れた。主要パイプラインの加齢黄斑変性ドライタイプの飲み薬、エミクススタト塩酸塩の米国での臨床試験フェーズ2b/3も順調に進展している。経営権奪還後、会長社長兼CEOに返り咲いた窪田博士に最近の状況を聞いた。

眼科領域の著名な専門家が加わる

――昨年末から続いた取締役会の乗っ取り騒動が終結し、窪田さん以外の取締役が総入れ替えになりました。会社の雰囲気は変わりましたか。

新しいチームになって毎日が楽しいですね。新しいマネジメント体制のもと、研究員を含めて職員も一部替わりました。チームを束ねてチーム力を最大にするようなリズムを作り出すことをしなければなりませんから、大変ではありますが。

新しいチームが目指しているのは、エミクススタト塩酸塩に続く、新しいものを生み出す、ということです。以前には、ドライアイ治療薬候補物質の開発がうまくいかないという残念なこともあったが、幸い上場で資金調達もできたので、積極投資に舵を切って、新しいリスクをどんどん取っていく。これまでは、会社の経営、財務を安定させるために開発を進めてきたという面があった。この会社の文化を変えているところです。

端的にいえばパイプラインを増やすこと。そのための人材も確保しています。アラガン社からきてくれたCBO(最高業務責任者)のテッド・ダンスはバイオベンチャーの経営経験が豊富でライセンスアウトや経営再建などを手掛けています。加えてノバルティスの眼科医薬品部門であるアルコン社からルーカス・シャイブラー博士がきてくれました。

――どうやって口説いたのですか。

ルーカスは、われわれの世界ではものすごく著名な人ですから、こちらから口説いてどうこうできるような人ではありません。彼は、レチナー(眼科系医学論文誌レチナ-・メディシン誌)に掲載された、われわれの論文(臨床2a相試験の結果分析)を見て連絡してきたのです。エミクススタト塩酸塩の90日間投与の結果、プラセボ群は症状が悪化していたのに、投与したグループは症状が進行していない。このデータを見て、トレンド(偏向値)ではあるけれど、これはいける、と感じたのだと思います。

彼は、世界中の眼科用医薬品を見てきた目利きで、それを医薬品として実現してきた人です。彼のほかにも数名研究者がきてくれました。まだ具体的な成果が出ていない段階にある当社に、こういう人たちが集まってきてくれていることに、ものすごくわくわくしますね。

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