【韓国が「武器輸出大国」に変容した納得理由】実はK‐POPや韓ドラと似た事業展開?ロシアによるウクライナ侵攻も影響している

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ただし現代ロテムの主力事業は鉄道車両製造で、アジア・アメリカ・欧州だけでなく、オセアニアや中南米にも輸出している。このため防衛部門の売り上げ比率は44%と比較的小さい。もっとも近年は、この値は上昇傾向にある。

現代ロテムでは西側標準となった120mm滑腔砲を搭載

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現代ロテムが戦闘車両で大きな実績を築くことになったK1戦車は、クライスラーの支援を受けたことから外見は同社製のアメリカ戦車M1に似ている。K1戦車は当初、当時の西側諸国の標準戦車砲だった105mm施条砲を搭載していた。

ところが1990年代に、北朝鮮が125mm滑腔砲を搭載するT‐72をロシアから輸入またはライセンス生産しているという情報が入った。これに対抗するために、現代ロテムでは新しく西側標準となった120mm滑腔砲を搭載した改良型を開発・生産した。

改良型では射撃管制システムも新型に改められている。しかしもともと120mm砲の搭載を想定していない車体だったため、機動力や居住性を損なったといわれている。

〔主な防衛装備品〕
・K2戦車:主砲120mm滑腔砲、最高速度時速70km

(出所)大韓民国陸軍フェイスブック

K1戦車の後継として開発・生産されている新型主力戦車。陸上自衛隊の10式戦車と同世代の戦車だ。試作段階ではK2の国産化率は77%程度だったが、量産時点では98%となっている。

砲弾には敵の装甲貫通を目的とする徹甲弾、爆発で打撃を与える榴弾などの他、ミリ波センサや赤外線センサを搭載して装甲の薄い敵戦車の上部を攻撃する高性能砲弾の運用も可能だ。防御についても新型装甲は交換修理が容易なモジュール型が採用され、データリンク端末を搭載するなど戦術情報処理にも優れている。

現時点で韓国以外では、ポーランドが自国向けに改修したK2戦車1000両の採用を決めた(陸上自衛隊の戦車保有数は300両){※2024年3月末現在(防衛省編『令和6年版 防衛白書』資料編)}。ポーランドはこの他にも、K9自走砲やFA‐50攻撃機(T‐50の攻撃機型)などの韓国製武器の導入を決めている。

小野 圭司 防衛省 防衛研究所 主任研究官

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おの けいし / Keishi Ono

1963年兵庫県生まれ。1988年京都大学経済学部卒業後、住友銀行を経て、1997年に防衛庁 防衛研究所に入所。社会・経済研究室長などを経て2024年より現職。この間、青山学院大学大学院修士課程、ロンドン大学大学院(SOAS)修士課程修了。専門は戦争・軍事の経済学、戦争経済思想。著書に『戦争と経済 舞台裏から読み解く戦いの歴史』(日経BP 日本経済新聞出版、2024年)、『いま本気で考えるための 日本の防衛問題入門』(河出書房新社、2024年)、監修書に『サクッとわかる ビジネス教養 防衛学』(新星出版社、2024年)などがある。

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