【韓国が「武器輸出大国」に変容した納得理由】実はK‐POPや韓ドラと似た事業展開?ロシアによるウクライナ侵攻も影響している
また韓国では新造品だけでなく、中古武器の無償供与も積極的に行っている。先に挙げた東海級コルベットは退役後に1隻がコロンビアに譲渡され、次級の浦項級も退役後には多くがペルー、エジプト、フィリピン、ベトナムなどに無償で提供されている。
ここで、韓国の主だった2つの防衛関連企業を見てみよう。
世界の防衛関連企業ランキング(2023年)では56位の韓国航空宇宙産業(KAI)と、87位の現代ロテムだ。
韓国の防衛関連企業
売上高 :29.1億ドル(うち防衛関連22.9億ドル:79%)
従業員数:5000人
事業分野:航空機
もともと韓国の航空宇宙産業は、造船を主力とする財閥系重工業メーカーの一部門として存続していた。この事情は日本とよく似ている。ただし1997年のアジア通貨危機で財閥系企業が軒並み事業不振に陥った。このため現代、サムスン、大宇の航空機部門は政府主導で合併され、1999年10月に韓国航空宇宙産業(KAI)が設立された。
KAIの前身社の1つであるサムスン航空工業は、韓国空軍向けにKF‐16戦闘機(韓国空軍仕様のF‐16)をライセンス生産していた。ちなみにF‐5のライセンス生産は大韓航空の製造部門が行った。KAIは設立直後から韓国初の国産航空機となるKT‐1練習機(ターボプロップの初等練習機)の開発を手掛けた。ゲリラ対策用の軽攻撃機型も開発され、練習機型と併せて輸出にも成功している。
その後は軍用機、軍用ヘリコプターの開発・生産を行うと同時に、ボーイングやエアバスなどの欧米大手メーカーから民間航空機の分担生産を請け負っている。
最近では新型戦闘機KF‐21を開発し量産準備を進めているが、これはユーロファイターやラファール、JAS39グリペン、日本のF‐2戦闘機などと同世代に当たる。KAIは短期間のうちに、これだけの機体を開発できる技術力を身に付けた。
KAIは、通貨危機の際に財閥系企業救済策として政府主導で設立された経緯もあり、現在でも筆頭株主は韓国輸出入銀行(保有比率26%強)、2番目は国家年金機構(同9%強)と、資本金の3分の1以上を政府系機関が保有している。
正に「災い(通貨危機)転じて福」となったKAIであるが、競争力を身に付けると欧米からは「株式保有の形で政府の支援があり公正な競争を歪めている」と非難される可能性は捨て切れない。欧米が時折主張する「公正な競争」の定義は、かなり独善的である。
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