【韓国が「武器輸出大国」に変容した納得理由】実はK‐POPや韓ドラと似た事業展開?ロシアによるウクライナ侵攻も影響している
1980年代に高度経済成長過程に入った韓国では、鉄鋼・自動車・造船などの産業が発展し、軍用車両・艦艇の開発・生産の基盤を形成することになる。これを支えたのがアメリカからの技術移転だった{※伊藤弘太郎『韓国の国防政策│「強軍化」を支える防衛産業と国防外交』(勁草書房、2023年)}。
当時のアメリカは、韓国の軍事力を北朝鮮に対抗するには不十分であると見ており、アメリカにとっても対韓軍事技術援助は有意義なものと考えられていた。こうして韓国は1970〜80年代にかけて、小銃・野戦砲・戦闘車両などの陸上装備を中心に国産化を推進した。
海軍艦艇では長期にわたってアメリカからの中古艦艇供与に頼っていたが、1980年代に主要艦艇としては初めて東海級コルベット(満載排水量1100トン)を建造する。これは韓国の造船業が、それまで世界の造船市場の約半分を押さえていた日本を急速に追い上げた時期に当たる。
東海級の拡大型として24隻と大量に整備されたのが浦項級コルベット(同1200トン)で、2010年3月26日に北朝鮮の魚雷攻撃で撃沈された「天安」も同級に属する。現在では駆逐艦や強襲揚陸艦、潜水艦も含めて海軍艦艇はほぼすべてが国産だ。
陸上・海上装備の国産化進展に比べると、韓国では航空装備の国産化は遅かった。韓国がF‐5戦闘機のライセンス国産を始めたのは1980年代初めだった。1990年代に入るとF‐16戦闘機のライセンス生産も始まり、産業としての力を着実に付けていった。
F‐16のライセンス生産時にアメリカのジェネラル・ダイナミックス(現・ロッキード・マーチン)から技術支援を受けており、それを基に超音速練習機・攻撃機T‒50の開発を行った。
なお韓国初の国産戦車K1の開発ではクライスラーの技術支援を受けたが、後にクライスラーは防衛関連事業をジェネラル・ダイナミックスに売却している。韓国の防衛産業の立ち上がりは、ジェネラル・ダイナミックスが深く関わる形となった。
武器輸出の市場開拓に成功
韓国では1975年から武器を輸出していたが、冷戦後には国内市場だけでは供給を満たすのは不十分であるとして、武器の輸出を積極的に行うようになった。初めから国内市場は狭隘(きょうあい)であることを前提に、海外市場も視野に入れた産業育成戦略を採っており、K‐POPや韓流ドラマと似た事業展開ともいえる。
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