中国アリババ、「国内ECとクラウド」が低迷を脱出 10~12月期の売上高、純利益が市場予想上回る

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海外EC事業の損失が拡大した要因について、アリババは(2018年に買収した)トルコのEC子会社「Trendyol(トレンドヨル)」が手がける越境EC事業と、直営の越境ECプラットフォーム「全球速売通(アリエクスプレス)」の先行投資がかさんだためと説明している。

中国内外のEC事業部門を統合した「アリババECビジネス・グループ」を率いる蒋凡氏(アリババグループのウェブサイトより)

なお、アリババは2024年11月、国内外のEC事業部門を統合して「アリババECビジネス・グループ」を設立。その初代トップにAIDCを率いてきた蒋凡氏を起用した。

「海外EC事業の損益は、今後数四半期のうちに目に見えて改善する」。蒋氏は決算説明会でそう述べ、早期黒字化に自信を示した。

AI関連プロダクトが好調

EC事業以外では、クラウド事業の業績回復が目立った。クラウド事業を統括する「クラウド・インテリジェンス・グループ」の10~12月期の売上高は317億4200万元(約6553億円)と、前年同期比13%の増収を達成。同グループの増収率は2022年7~9月期から1桁台に低下し、2023年1~3月期には一時マイナスに落ち込んだが、約2年ぶりに2桁成長に復帰した。

本記事は「財新」の提供記事です。この連載の一覧はこちら

10~12月期のクラウド事業の成長を牽引したのは、(不特定多数のユーザーが利用できる)パブリッククラウド向けプロダクトの販売好調だ。中でもAI(人工知能)関連プロダクトの売り上げは、前年同期比で倍増を超える成長を6四半期連続で維持しているという。

さらに、クラウド・インテリジェンス・グループの10~12月期の調整後EBITAは前年同期比33%増の31億3800万元(約648億円)と、売り上げの伸びを上回る増益を記録した。アリババは数年前から、クラウド事業の経営資源を(特定ユーザー向けのサービスより)利益率が高いパブリッククラウドに集中する戦略を取っており、その成果が表れた格好だ。

(財新記者:包雲紅)
※原文の配信は2月21日

財新編集部

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Caixin

2009年設立の財新は中国の経済メディアとして週刊誌やオンライン媒体を展開している。“独立、客観、公正”という原則を掲げた調査報道を行い、報道統制が厳しい中国で、世界を震撼させるスクープを連発。データ景気指数などの情報サービスも手がける。2019年末に東洋経済新報社と提携した。(新型肺炎 中国現地リポート「疫病都市」はこちらで読めます

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