「国家の役割」を最小化すると最後はどうなるのか 保護されるのは「人身と所有に対する権利」だけ
プラトンが掲げた「哲人国家」の構想
西洋思想のなかで「国家論」といえば、たいていの人はおそらく、プラトンの『国家』を挙げるのではないでしょうか。まさに古典中の古典ですので、タイトルはご存じだと思います。
もともとのギリシア語のタイトルでは『ポリテイア(Politeia)』となっていて、「ポリス(国家)のあり方」を論じたものです。
では、プラトンはどのようなあり方が、「国家」として望ましいと考えたのでしょうか。
端的にいいますと、プラトンの基本的な発想は、哲学者が国家を統治するという「哲人国家」の構想にあります。これは、師であるソクラテスが民主制によって死刑に処せられた、という苦い経験からきています。


















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