ミャンマーでロマンス詐欺、「NY出身モデル」装う 女性が証言、求人に応募すると拠点へ連行
2か月後に移った拠点では、ノルマを達成しないと罰金が科された。同僚が外部に助けを求めたことが知られ、女性も数日間「拷問部屋」に入れられた。同僚の家族が身代金を払い、翌年4月に解放されたという。

バングラデシュ人の20歳代男性も昨年夏、偽の求人でミャワディに誘い出され、「アリン」という英国出身のファッションデザイナーのセレブ女性を装い、ロマンス詐欺に関与させられた。なりすます顔写真はネット上で探し、AIで加工することもあった。指示役は中国人で、ロシアやトルコなどの男性に偽の投資を呼びかけたという。
「海外の仕事」と誘われ、詐欺に加担させられるケースは日本でも相次いでいる。警察庁は、怪しい仕事に応じないよう呼びかけている。
ミャンマーの拠点で特殊詐欺に関与させられた愛知県の男子高校生(16)は、インターネット上の知人から「特技を生かして海外でやれる仕事がある」と言われ、紹介された男の手引きで現地に渡っていた。
大阪市淀川区の男(49)(服役中)は2022年8月頃、知人を通じてカンボジアでの通訳の仕事を紹介された。当時はコロナ禍で仕事もなく「(得意な)語学力を武器に活躍できる」と思ったという。
だが、現地では、投資に関する日本語の文章の誤記を訂正する作業に携わることに。預けたパスポートは返却されず、体調を崩しても帰国を許されなかった。
男は、カンボジアでFX(外国為替証拠金)取引を巡る詐欺に関与したとして、佐賀県警に逮捕され、その後、詐欺罪で実刑判決を受けた。昨年、公判中に勾留先で取材に応じ、「渡航を慎重に考えるべきだった」と後悔を口にした。
昨年10月以降、海外の「闇バイト」に誘われ、日本の警察が保護したケースは計10件に上っている。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら