カヤックが「変な制度」を作り続けるワケ

「面白法人」のワーク・ルールズ<前編>

「サイコロ給」は給与の6%をサイコロの目で決めるという仕組み。最近は、実際のサイコロを転がさずに画面をタッチするゲームになっている

──機能している制度では、給与の一部をサイコロで決めるという「サイコロ給」が有名ですよね。

柴田:外部へのPRなどを含めれば、サイコロ給がいちばん知られていますね。もっとも、この仕組みが生理的に嫌だ、給料で遊ぶ会社なんかには入りたくないという人は、入社を志願してこないと思います。それよりも、全員に3.5%ベースアップしたほうがいいという発想が絶対にあるはずですから。人事的には、「実力ランキング」という評価制度がど真ん中と思っています。

社長になったつもりで社員を報酬順に並べる

──「実力ランキング」について、詳しく教えていただけませんか。

柴田:これは、「あなたが社長になったつもりで、社員を報酬順に並べなさい」という質問です。一般的な人事制度には等級というものがあり、これができたらグレードが上がるみたいなのがあって、そのグレードにひもづいて給料が決まります。この制度は、会社が何を評価しているかが明確ですが、この等級には書かれてないような貢献をした人が抜け落ちていくという問題点があります。

実力ランキングは真逆の発想です。社長視点で見たときに、どんな方法でもいいから会社に貢献した人間を評価する。給料がこれで決まるっていうことが重要です。たとえば、「まったく仕事はできないけれど、ツイッターでのフォロワーが異様に多い」ことでも、貢献していれば評価されます。

──けっこう上下したり、同じ年齢でも差がついたりするのですか?

柴田:もちろんです。上下もしますし、新卒と3年目を比べて新卒が上になるケースも多くあります。毎年、ある程度上下します。「社長になったつもりで」というひとつの基準だけでトータルで見ろ、というのがカヤックの肝ですね。

三好:基準を作って平準化することで、属人化しないようにするのが普通の評価や等級を作る思想ですが、カヤックはある意味で人の主観ですから、評価基準も自分の中で作るのが思想ではないかなと。

──それはイントラネットみたいなもので、誰々何点、誰々何点って、年に何回か評価する時期があるんですか?

三好:年2回あります。これは全員ではなく、事業部と職能で区切って、それぞれを評価するようにしています。

──入社1年目の人も参加できますか?

柴田:そうです。下がたくさん入ってくると、上に行ったりする。伸びている間は、だいたいそうなります。それから、普通は2、3年目ぐらいまではそこそこ伸びて、そこから上が勝負になります。伸び悩むというか、3、4年目以降は関係ないですから。

──定期昇給はありますか?

柴田:ありません。実力ランキングを基に決めています。ただ、新卒が入ったら、最初は実力ランキングが上がっていきます。でも、社員はこの実態をどこまでわかっているのかな。本当にこれで決まっているのですが。

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