「雅叙園」一方的キャンセルが罪深い"4つの理由" キャンセルされた客への「10万円の迷惑料」は妥当?

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また、10月以降に予約済みのカップルには、「日程を9月末日までに前倒しする場合、会場料・レンタル衣装料などが無料になる」「式を行わない場合は申込金20万円の返金と迷惑料10万円を支払う」という提案があったようです。

休館やキャンセルの理由としてあげられているのは、主に「2025年1月に建物の所有者がカナダの投資会社になった」「より利益を上げるための方針」の2つ。

2月20日放送の「羽鳥慎一モーニングショー」でも、玉川徹さんが「『仕方がないかな』という感じはしますね」「投資会社にとっては投資効率が一番重要なこと」などとコメントしていました。

たとえそれがビジネス上の正論だとしても、当事者が納得するのは難しいでしょう。今回の経緯や報道を見ていると、「式場予約者に対する理解不足ではないか」と感じる4つのポイントがありました。

筆者は最初の勤務先が結婚式場で、その後もブライダル関係者と交流を続けていることもあり、「雅叙園のキャンセルがいかに罪深いか」という観点から今回の騒動を読み解いていきます。

雅叙園
突如、ホームページにアップされた「休館のお知らせ」(画像:同ホテルの公式サイトより)

他の式場ではなく「雅叙園がいい」理由

キャンセルの罪深さを感じさせられる1つ目のポイントは、当事者たちにとって雅叙園が特別な式場で、「ここでやりたい」と強く思っていたこと。

昭和、平成、令和と時代が変わった今もなお、「結婚式が人生における特別な日」というカップルがいることはいうまでもないでしょう。そこでクローズアップされるのが、雅叙園の歴史と格式、他にはない特別感と美しさ。

雅叙園のルーツは97年前の1928年に創業した純日本式の高級料亭「芝浦雅叙園」。1931年に移転して「目黒雅叙園」になり、“日本初の総合結婚式場”として多くの著名人を含む約23万組超が挙式をあげてきました。

館内には都の指定有形文化財でもある百段階段のほか、浮世絵をモチーフにした木彫り板や天井の扇絵など2500点もの美術品がズラリ。敷地内には四季折々の花々が咲き、美しい日本庭園や滝などもあり、都内にいながら自然を感じられることが魅力の1つでした。

 

雅叙園
東京都指定有形文化財に指定された「百段階段」は、同ホテルの見どころの1つ(画像:同ホテルの公式サイトより)

実際、当事者のインタビューを見ると「放心状態」「泣き崩れた」などのコメントもあり、他の式場ではなく「ここでやりたかった」という思いの強さがうかがえたのです。

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