YouTube「リハック」に政治家が次々出たがるワケ いまやテレビや新聞よりも影響力がある?
出演者の本音を引き出すために、高橋さんは長時間にわたって相手の言い分を聞く姿勢にこだわっている。それはジャーナリストではなくディレクター目線で相手の考えを理解し、聞き出そうとする高橋さんの「傾聴力」がなせる業かもしれない。
「もちろん出演者には本音を言ってほしいですけど、誰だって言えることばかりではない。どうしても言えない事情があるのかもしれません。でも、たとえ何も話してくれなかったとしても、その苦渋の表情や、話せない理由を伝えることが必要だと考えています。
そこで嘘を言ってもいいんです。それに、嘘かどうかは表情を見ればわかりますよ。その一挙手一投足を、映像記録として残しておくことが大切かなと思います」
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すべてを否定することは社会にとってマイナス
「あまり何かを批判するタイプではない」と語る高橋さんだが、2024年12月8日に神戸新聞が報じた記事には、めずらしく憤りを感じたという。
兵庫県知事選における斎藤氏の再選を振り返る記事だったが、そこに掲載された図の中で「斎藤氏関連動画」として『リハック』が紹介され、あたかも斎藤氏を応援しているメディアだと受け取られかねない報道をされたのだ。
高橋さんは自身のXや『リハック』で「事実と異なる」と主張した。
だが、神戸新聞の今回の記事に関しては批判をしているが、神戸新聞のすべてを否定しているわけではない。
「今、オールドメディアだ、ニューメディアだ、と批判する流れがありますが、その際には『今回のこの件については間違っている』『記事のこの部分はよくない』と修飾語をつけることが大事ではないでしょうか。一概に『このテレビ局がダメ』『この新聞がダメ』と断じたり、テレビや新聞のすべてを否定することは社会にとってマイナスかなと思います。
視聴者のコメントや批評はもちろん自由ですが、きちんと1次情報に触れたうえで、解像度を高く論評していくことが大事ですよ。SNSでもマスメディアでも、中身を見ないで論評しているものが飛び交っているような気がします」
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