YouTube「リハック」に政治家が次々出たがるワケ いまやテレビや新聞よりも影響力がある?

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経済や学術にスポットを当てたビジネスパーソン向けの動画を多数配信している『リハック』だが、特徴的なのは多くの政治家が出演していることだ。自民党総裁選で勝利した石破茂氏も出演している。なぜ政治家をキャスティングすることが多いのか。

「経済について突き詰めて考えていくと政治に行き着くんです。たとえば、株価や金利について考えていくと政策にぶち当たるので、当事者である政治家の皆さんに考えを聞くことはとても大事なことだと思っています。自民党総裁選だけでなく、立憲民主党や国民民主党の代表選も取り上げましたし、幸いなことに主要政党の皆さんとお付き合いいただけるのでありがたいです」

リハック
石破氏は首相になる前から出演しており、同チャンネルに最多出演していた政治家だったという(画像:YouTube「ReHacQ−リハック−【公式】」より)

さまざまな政治家が登場する中でそうした中でも高橋さんが印象に残っているのは、”泡沫候補”と呼ばれる、当選する見込みが低い選挙立候補者たちへのインタビューだという。

「世間から見たら“色物”に見られるし、実際に色物もいるんですけど(笑)、”泡沫候補”と呼ばれる方が政治に興味を持った動機ってやっぱり興味深いんですよ。普段夜勤しながら昼は政治活動をしている、といった方の想いや政治を志した理由を聞けるのは意味があると思います。テレビはあまり取り上げない”泡沫候補”のほとんどは無風かもしれないけど、そこから何か新しいことが起こる場合もあります。実は、東京都知事選の石丸さんも最初は”泡沫候補”でしたから」

僕はジャーナリストではなく「演出家」

高橋弘樹さん
高橋弘樹(たかはし ひろき)/映像ディレクター。2005年テレビ東京入社。『家、ついて行ってイイですか?』『ジョージ・ポットマンの平成史』『吉木りさに怒られたい』などを企画・演出。2021年よりYouTubeチャンネル「日経テレ東大学」の企画・制作統括を務める。2023年2月末でテレビ東京を退社。同年3月より自身が代表を務める株式会社tonariでビジネス動画メディア「ReHacQ(リハック)」を開設。著書に『1秒でつかむ』『TVディレクターの演出術』『都会の異界』など

政治を扱うことに対する動機は、「ジャーナリズムではない」と高橋さんは言い切る。現在、『リハック』が注目されている理由の1つに、従来の編集されたメディアとは異なり、出演者の“生の声”や、表情など言語外の情報をそのまま伝える点がある。

「僕はジャーナリストではなくて、基本的に演出家なんですよ。演出というのは僕の中では『物事の魅力を引き出す技術』なんです。なぜ僕が演出家を名乗るのかというと、取材対象者の魅力を引き出すというところに主眼を置いているから。相手を深掘りすることでリアルな魅力を引き出したい。インタビューする際には、『なぜ隠すのか』『なんでこれを言わないんだろう』と引っかかることについては、必ず『なぜ?』と聞いています。そうすることで相手の本音を引き出したいんです」

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