「ワークマン女子が撤退?」投稿に見る大胆な変化 一般アパレル化への"成長痛"が起きている
また、安価なアウトドアブランドはブルーオーシャンであるのに対し、#ワークマン女子やWorkman Colorsが目指す一般アパレルラインではGUやユニクロ、しまむらなど競合がひしめいており、そこでのシェアを確立するのは並大抵のことではない。
とはいえ、こうした不安要素もありながら、基本的には職人服専門店時代よりも大幅に高い利益率を出しており、ワークマンの変身は現状、成功していると見ることができる。
#ワークマン女子をWorkman Colorsに変更することも、こうした一般アパレル化の流れを進めて収益を向上させようとするものであり、基本的にはポジティブな変化として見ることができるわけである。
ワークマンの変化は、リブランディングの教科書だ
しかし、どうしてこうした報道に対して「#ワークマン女子が不調」という話が出てくるのだろうか。
おそらくそこにはこの10年の間のワークマンの変化が、まだ消費者のイメージと結びついていない現状があると思われる。
土屋氏は自著でワークマンのイメージを変えた店舗「WORKMAN Plus」が一般に認知されるには「苦節10年」という期間が必要だろうと予測している。1980年代から蓄積されてきたイメージを覆すのは簡単なことではない。
そうしたイメージの変化はゆっくりと起こってくるもので、まだ私たちの中には作業服屋としてのワークマンをイメージする人も多い。特に特徴的だった吉幾三のCMソングを思い浮かべる人も多いだろう。
ワークマンの新業態がとかく悪く語られがちなのは、その変化の過程で起こった、いわば成長痛のようなものだと私は以前指摘した。かなりのハイペースでそのイメージの転換を行っているだけに、その軋轢も大きいわけである。
何事もそうだが「変化する」というのは、なにかと軋轢を生み出しやすい。それまでのターゲット層だった消費者が「自分たちはもう相手にされていないのか」と思ってしまうからだ。
ワークマンの場合、一般客の流入によって駐車スペースが埋まり、職人たちが店に入れないといった現実的な不都合も起こった。
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