「トランプ氏への話し方」石破首相なぜ成功したか 世界が驚くある「ふるまい」が功を奏した可能性

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秀逸だったのは、表面的にほめそやすのではなく、具体的で情緒的なストーリーによって、大統領の心をつかんだところでした。

安倍元総理のご夫人、安倍昭恵さんを通じまして、大統領閣下の本を頂戴いたしました。そこにはPEACEと書かれておりました。非常に感銘を受けましたところでございます。そこには大統領閣下の深い思いが込められていると感じます。
昨年の7月であったかと思います。大統領になられる前でしたが、狙撃をされたとき、ひるむことなく立ち上がられ、こぶしを手に突き上げて。その時の写真が非常に印象的でありました。その背後には星条旗がはためき、そして青い空が映っていた。あの写真はおそらく歴史に残る一枚だったと思います。
あの写真を見て、私はおそらく大統領閣下の時に、自分はこうして、「神様から選ばれたんだ」「必ず大統領に当選し、再びアメリカを偉大な国に」、「そして世界を平和に」、そのように確信されたに違いないと思いました。


 「こぶし」「青い空」「星条旗」など、聞き手の頭の中に絵が浮かび上がるような劇場型の描写や、トランプ大統領の心情やプライドをくすぐるような情緒的な表現が印象的でした。

石破首相自身がキリスト教徒であり、大統領を取り巻く信仰心のある保守層の価値観を理解しているからこそ、紡ぎだせた言葉、という側面もあるかもしれません。

トランプ大統領が「Very nice. Thank you」

「神様から選ばれた」という言葉を聞いたトランプ大統領が、思わず「Very nice. Thank you」と漏らすほど。

もともと、石破氏は日ごろから、単なる抽象論で終わらせず、具体的なデータやエピソードを交え、焦点を絞って話す傾向があるので、話としては、案外と説得力があるのですが、この会談でもその力が発揮されていたと言えるでしょう。

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