内向きNECの迷走、1万人削減の悪夢が再び

低い海外競争力

 

数少ない海外進出分野の通信設備も無線通信システム「パソリンク」を中心に苦戦。「NECの製品は高スペックにこだわったNTT仕様で価格競争力が低い」(業界関係者)ため、顧客がコスト削減で設備投資を絞る中、売り上げを伸ばすことは難しい。

今後はITサービス、通信、社会インフラ、電池の4部門を中心に投資をする方針だ。が、優先順位が伝わってこないこともあり、「成長シナリオが見えづらい」(メリルリンチ日本証券の平川幹夫アナリスト)。

売上比率が最も高いITサービスではクラウド化を推し進めるが、逆にサーバーなど主力のハード機器販売は落ちかねず、収益モデルが脅かされるジレンマだ。

NECの遠藤信博社長は1月26日の記者会見で、「12年度に売上高4兆円を達成することはほぼ不可能になった」として事実上、10年に発表した中期経営計画の旗を降ろし、今後は利益重視に転換することを強調した。

が、度重なるリストラで今やITや通信といった「本丸」しか残っていない。ここで利益を出せなければ、もう一段の人員削減に踏み切らざるをえないだろう。先行きは混迷を深めている。

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(島田知穂 撮影:今井康一 =週刊東洋経済2012年2月11日号)

記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。

 

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