みやこ(41歳、仮名)は、としお(45歳、仮名)とお見合い後、すでに3回のデートを終えた。
しかし、まったく2人の距離感が縮まる気配がなかった。連絡も頻繁にくるわけではなく、1週間に1回程度のLINEがきて、食事に誘われる。ほかに仮交際をしている相手もいないので、誘われれば食事に行く……。
こんな報告をみやこから聞いたので、筆者は「このまま続けても、おそらく成婚まではたどり着かないと思うので、2人の今後のお付き合いをどうするか、話したほうがいいですね」と、アドバイスをした。
そこで、4回目に会ったとき、みやこはとしおに単刀直入に聞いた。
「どういうお気持ちで、私と会っていますか?」
「どういう気持ち? まあ、なんというか、(僕のことが)嫌ならお断りがくると思っていたけれど、それがこなかったので」
なんともぼやけた答えだった。そこで、みやこは言った。
「私の仲人さんに、『ダラダラ会うんじゃなく、3~4回会って距離が縮まらないなら、この関係性をはっきりさせたほうがいい。そうじゃないと、お互いの時間を奪い合っていることになりますよ』って言われたんです」
こう言うと、としおは納得がいかないような顔で言った。
「そんなの人それぞれでしょう」
この後、みやこはとしおに交際終了を出すことを決めた。
「私に対してどんな気持ちなのか、結婚に向かっている意識はあるのか、まったく自分の気持ちを言葉にしない人だとわかりました。というか、結婚や人への関心が薄いのかもしれません。このままお付き合いを続けていても、距離が縮まらないと思うので、交際終了でお願いします」
婚活で結婚していくためには、“結婚をしたい”という強い気持ちを持ち、交際が始まったら関係を縮めていくために前向きに動いていかなければ、成婚までたどり着かない。
手札がなくなるのが怖くてキープ
なお(40歳、仮名)は、婚活を始めて6カ月が経った。「できれば1年以内に相手を見つけて結婚したい」と入会面談で言っていたのだが、まだ結婚したい相手には出会えていなかった。
「いつ出会えるのか。気持ちばかりが焦ります」
現在付き合っているあきら(44歳、仮名)とは、お見合いの後に3回会ったというが、なかなか2人の距離は縮まらずにいた。
「ただ、彼を断ってしまうと、お付き合いしている人がゼロになってしまう。誰もいなくなると不安なので、このままキープしておきたいです」
付き合う相手が誰もいなくなってしまうのが怖いから、ひとまず付き合っておく。しかし、こうやってつなぎ止めておいた相手と、成婚までたどり着けるかといえば、ほぼそんなことはない。一般的な恋愛においても、キープが本命に昇格する可能性は、極めて低い。
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