キヤノン“御手洗王国” 76歳で異例の社長復帰 既定路線との声も

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また生駒俊明副社長も、日本テキサス・インスツルメンツ社長時代の実績を高く評価し、御手洗会長が引き抜いてきた人材。経営陣には、今も“御手洗色”が強い。

08年の世界同時不況で大きく落ち込んだとはいえ、キヤノンの営業利益は11年度も3780億円と、日本の製造業では屈指の高さ。一方で、カメラ、事務機に次ぐ新たな成長源の育成が課題だ。

次世代ディスプレーとして00年代に社運を懸けて挑んだSED(表面電界ディスプレー)テレビは量産化に苦戦し頓挫。現在、第3の柱として医療機器事業に注力し、「15年に売上高1000億円」の目標を掲げているが、その達成もかなり厳しいとみられる。

キヤノンは、中期経営計画の新年度となる16年をメドに、若返りを図ることを明らかにした。御手洗氏は現在、76歳。後継者育成は喫緊の課題だ。御手洗氏と同郷の大分県出身で、同じ中央大学卒業、キヤノンUSA社長という経歴まで同じ、足達洋六専務(64)が、最有力と目されている。

キヤノンの“天皇”として君臨する御手洗氏。新事業と後継者の育成という、最後の宿題に片をつけられるか。

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(伊藤崇浩 撮影:尾形文繁 =週刊東洋経済2012年2月11日号)

記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。

 

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