早々に受注停止「ジムニー ノマド」シエラとの差 後席と荷室が広がり使い勝手がアップした室内

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ジムニー/シエラ/ノマドとも乗車定員は4名だ。5ドアのノマドになっても乗車定員が変わらないのは、軽自動車であるジムニーのボディを活用し、シエラやノマドを派生車種として生み出しているからだ。3モデルとも各国の法規で求められている衝突安全性は確保した上で4名乗車を成立させている。

シエラとノマドの決定的な違い「後席の居住性」

ジムニー ノマドの後席
ジムニー ノマドの後席(筆者撮影)

シエラとノマドの大きな違いの1つ目として「後席」から詳細をみていく。まず、シートサイズが大きくなり、座面が長くなったことで深く腰掛けやすくなった。シートクッションの厚みを増やしたから、これまで以上に身体を面で支えやすくなっている。いわゆる面圧分布の最適化がもたらす効能だ。

「シエラでは前倒しした際のラゲッジ容積を少しでも稼ぐため後席シートを少し薄くしていましたが、ノマドでは十分なラゲッジスペースが確保できたのでシートの厚みをもたせて乗り味を向上させました」(ノマドのアシスタントチーフエンジニアを務めた縫村利喜さん)

ジムニー ノマドのリアビュー
ジムニー ノマドのリアビュー(筆者撮影)

後席への乗り込みも容易だ。まず、後席ドアの前側(ヒンジ側)と、前席ドアとの柱(Bピラー)の下端部分を薄くして、乗降時に足やひざが当たりにくくした。調整はmm単位で何度も行われた。次に、後席ドアに近い角付近、ちょうど乗降時にふくらはぎが触れる部分の角をそぎ落とすように斜め設計。さらに、乗降時に腰が触れやすい後輪ホイールハウス(後輪格納部分)の出っ張りをなるべく直線になるよう形状を整えた。端的に、無理な姿勢を強いられず、スッと乗り降りできるようになったのがノマドだ。

ただ、3ドアのシエラも見た目以上に後席へのアクセスは良い。改めてシエラでも乗り降りを繰り返したが、前ドアを大きく開けて(最大70度まで開く)、前席を一番前にスライドさせていれば乗り込みに苦労はない。ただ、降りる際には車内で屈みながら前に出る必要がある。また、駐車環境によってはドアを大きく開けられないので、そういった状況では正直、難儀する。

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