![日本では2023年7月1日に発売となったプジョー408。価格は429万~669万円(筆者撮影)](https://tk.ismcdn.jp/mwimgs/0/8/570/img_081931e9dff3d01b361e7113168cafd2285482.jpg)
プジョーの車名といえば、中央にゼロを挟んだ3桁数字がおなじみだ。最近はSUVが4桁数字を使っているが、こちらも真ん中の2桁はゼロになっている。
![](https://tk.ismcdn.jp/mwimgs/6/e/570/img_6ec81b9eb67f419eb94f2a66b710ece168854.jpg)
第2次世界大戦前の1929年から使われているこの様式、百の位が車格を示し、一の位は世代を表してきたが、初代「308」が登場するより前、1980年代に「309」が存在していたことから、現在は先進国向けが8、新興国向けが1というナンバリングになっている。
ただし、今回日本で発売された「408」は、単純に308と「508」の間に位置する車種ではない。実用的なハッチバックとステーションワゴンの308に対し、ファストバックとクロスオーバーを融合させた、スペシャルティカー的なキャラクターなのだ。
クーペに代わるスペシャリティの形
408は、BMW「3シリーズ」に対する「4シリーズ」のような位置付けと言えるし、「406」や「407」の時代にあったクーペが、姿を変えて蘇ったような印象も受ける。
![なだらかなハッチバックを持ち、プロポーションはSUVとは明確に異なる(筆者撮影)](https://tk.ismcdn.jp/mwimgs/f/e/570/img_fe04574b218dce008199966d2f44cc3f530839.jpg)
それなら優美なフォルムが高い評価を受けていた「406クーペ」の復刻版を送り出せばいいのに……と、一部のクルマ好きは思うだろう。でも、世の中のトレンドはそうではない。
プジョー自身、初代308をベースとした「RCZ」は生産を終えているし、308のライバルであるフォルクスワーゲン「ゴルフ」をベースとした「シロッコ」も同じ運命を辿っている。
408と同じCセグメントのクーペとしては、トヨタ「GR86」とスバル「BRZ」があるが、この2車種は共同開発生産だから成立しえた。
![2010年からおよそ5年間にわたり生産されたプジョーRCZ(写真:Stellantisジャパン)](https://tk.ismcdn.jp/mwimgs/0/9/570/img_09b2a185f773edf8927d3e96071c8db874688.jpg)
プレミアムブランドはBMW「2シリーズクーペ」の孤軍奮闘で、アウディ「TT」は生産終了がアナウンスされている。2ドアや3ドアのクーペを欲しがるユーザーは、激減してしまったのだ。
理由として考えられるのは、SUVの存在である。昔は、「クルマは背が低いほどカッコいい」と思われていた。でも、背が低いと乗り降りしづらく、車内も狭くなる。この点を解決してくれたのがSUVだった。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら