グーグル社員が仕事の合間に自然の中で過ごす訳 「イライラしたらゴルフ」「森に行き深呼吸」
最後に、「自分の使命」を確認する。
ラルフの使命は、自分の助けを必要とする人に力を貸すこと。「自分にしてあげられることは何もない」という言葉は彼の辞書には存在しない。
「自分の力で、周りをハッピーにさせられる」。そう祈りながら森を後にする。困難に直面しても「自分の使命」に意味を見出せたら、たちまち不安は消える。思考、感情、祈り、といった「人間力」が、自分が理想とする世界を創り出すのだ、と彼は言う。
「森に行くと、人が変わったかのように心が穏やかになる」
そう語るラルフの表情には、自信が満ち溢れていた。
瞑想で「いま、ここ」に意識を向ける
ダグラスもまた、グーグルでハードウェアを開発するシニア・エンジニアだ。50代も後半に突入し、次第に「引き際」を意識して働くようになった。
ダグラスにとっての“気がかり”は、お金と国。アメリカの政治がどうなるか、それにより老後の生活がどうなるのかという不安を抱えながら生活をしている。
彼には明確な「夢」があった。5年以内にリタイアして、コスタリカの海辺で悠々自適に過ごすことだ。そのために、いまは貯蓄に励み、不動産投資にも資産を振り向けている。
「将来の目標のために準備をしていることは?」という問いに対して、「25年間も働いてしまった。それによってもたらされたハチャメチャな生活を整理整頓することだ」と答えてくれた。
働きすぎで生じた歪みを矯正する。これが、ダグラスにとってのプライオリティだった。
だからダグラスは意識して、日々の仕事や雑務やあらゆる責任から離れ、集中できる環境に身を置くようにしている。
自分自身について、そして自分の周りで起きていることを冷静に把握するために「マインドフルネス瞑想」は欠かせないルーティンだ。
「いま、ここ」に意識を向ける。ただ目の前のことに集中する。
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