「砂糖やバター、牛乳を避けたい」「小麦粉を使わないパンやお菓子が作りたい」というのはもちろん個人の考えでいいのですが、体に悪いからとたんにそれらを抜けばいいというのは、ちょっと違うと思います。
これらを使わない代わりに、本来あるべきお菓子に寄せるための代替品を使わざるを得ないからです。
たとえば、バターや小麦粉を使わないレシピ本を見ると、「植物油」や「アーモンドパウダー類」を大量に使っていて、「何がよくて何が体に悪いのだろう」と疑問に思うことがあります。
米粉は、小麦粉とは「別モノ」です。小麦粉を使わない代わりに米粉を使えばいいというものではなく、米粉は「米粉の特有のもちもち感」などを楽しむために使うものです。
同じように砂糖や卵も、お菓子に使う場合は、それぞれに役割がちゃんとあります。それを無意味に抜くと「残念なお菓子」になってしまいます。
安部さんは「砂糖も油も嗜好品」と言っていて、どれが良い、悪いではなく、「量」の問題だとして、「鵜呑みの健康志向」に対してイエローカードを出されています。
『安部おやつ』では、その観点に立ち、「○○を使ってはいけない」という縛りはやめ、「○○がないと作れない」ものは潔くレシピに入れていません。
「自然な甘さ」は魅力的
「安部おやつ」は砂糖も使っていますが、一般的なお菓子のレシピ本から比べれば比較的少なめで、メープルシロップや黒砂糖、みりん、甘酒などを上手に使って「自然な甘さ」を出しています。
たとえば、「安部おやつ」のひとつ「砂糖不使用! 上品みりんプリン」は砂糖を使わず、本みりんで甘味をつけました。ほんのり甘く、なんともいえない風味が魅力です。
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ほかにも、さつまいもや柿など、素材の甘さを活かしたレシピもたくさん載せました。
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