「残念な記者質問」批判殺到の訳を数学的に解明 「品」ではなく「スキル」に注目しても稚拙だった
これらの質問をする際に、「いただいた質問にしっかりお答えをしたいので」というエクスキューズを入れられれば完璧です。
実際、私もインタビューや質疑応答などで意味や意図のわからない質問をいただいた際は、私は必ず上記の3つを質問しながら確認するようにしています。裏を返せば、この3つがクリアにならない状態では質問に回答することはしません。なぜなら、相手の思惑や期待と違うことを返答して評価を下げるのは、シンプルに損だからです。
数学のように話せ
冒頭で話題にした会見はもちろん、企業研修や講演の質疑応答などの場で痛感するのは、「相手が答えられるように質問する」という発想の欠落です。「こんな質問の仕方では相手はどう答えたら良いかわからないだろうな」という想像力が絶望的に足りないのです。この絶望的という表現は、決して過剰表現ではありません。
誠に残念なことに、ビジネスパーソンの多くは自分がした質問に対して期待する回答が得られないことを相手のせいにしています。おそらくは相手の理解不足や「頭の悪さ」と認識しているのでしょう。しかし本当にそうなのでしょうか。実は質問する側に問題があり、本人も知らないうちに周囲からの評価を下げてしまっていることも多々あるのではないでしょうか。
私はビジネス数学・教育家の立場から、一貫して「数学的に仕事をしましょう」と提唱しています。もちろんその中には思考法やコミュニケーション術も含まれますが、特にビジネスパーソンの皆様は「数学的に話す」という発想を持っていただきたいと思っています。
数学的に話すとは究極までシンプルに表現するなら、「塊と矢印」でモデル化して話すということです。先ほどご紹介した型も、まさに「3つの塊と2つの矢印」で表現されています。
このような解説を読んで、「知っていること」や「簡単なこと」だと思われるかもしれません。しかし、実際の重要な場におけるコミュニケーションで実践できている人はほんのわずかです。
冒頭でご紹介した会見での、記者たちの様子をご覧になった方も多いでしょう。ぜひ彼らを反面教師にしていただき、知らないうちに評価を下げるような質問の仕方をしないよう気をつけましょう。
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