「残念な記者質問」批判殺到の訳を数学的に解明 「品」ではなく「スキル」に注目しても稚拙だった
そこで今回は、ビジネス数学・教育家の立場から、評価を下げない質問の仕方についてビジネススキルの観点で解説することにします。
「質問」しかしていない質問
「仕事って、どうすればうまくいくのか教えてください」
もし私がこのような質問をされたら、どう答えるべきか、迷ってしまいます。この質問の背景や前提、そしてこの質問から何を得たいのかがわからないからです。このような「質問」しかしていない質問では、相手から好ましい回答を得られる可能性が低いでしょう。
一方で、次のような質問であればどうでしょう。
「私は営業職で、ずっと顧客獲得に苦しんでいます。どうすればうまくいくのでしょうか。明日からすぐにできることをヒントとしていただきたいです」
このように質問していただけると、とても答えやすくなります。まずこの人物は営業職であること。そして顧客獲得に悩んでいるという背景があることが事前情報としてインプットできます。
この事前情報があることで、「どうすればうまくいくのでしょうか」という質問にようやく意味が生じます。そしてその後に「明日からすぐにできることをヒントとして……」と聞かれているので、具体的に何を返答してほしいのかが明確です。そして何より、「どうすればうまくいくのでしょうか」という質問の意図が明確になります。
この事例をモデル化して、答えやすい質問の型として示してみます。
↓
②質問を端的に伝える
↓
③期待することを伝える
①から②の質問に意味づけができ、③により②の質問の意図が伝わります。このような型で質問をすることで、期待する返答が得られる可能性が上がります。さらに、わかりやすい質問ができると、質問相手が抱く印象もぐっと良くなります。
もしあなたが質問される側だった場合も、先ほどの型が活用できます。すなわち、要領を得ない質問や「質問」しかしていない質問をされた際には、「そのご質問の前提や背景を教えていただけますか?」「ご質問内容は○○ということでよろしいでしょうか?」「どのような意図でそのご質問をなさっているか教えていただけますか?」というように、確認をしてから回答するようにすれば良いのです。
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